
近年、電気代の高騰や、給湯器が故障した際の工事費用削減などを理由に、エコキュートからガス給湯器への交換を検討する方が増えています。
しかし、「本当にガス給湯器に戻して後悔しない?」「費用はどれくらいかかるの?」など、不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、エコキュートからガス給湯器への交換を検討している方に向けて、費用相場、業者選びのポイント、メリットやデメリットなどを詳しく解説します。
この記事でわかること
- エコキュートをガス給湯器に戻す理由
- 交換工事にかかる費用の相場
- 工事の前に確認が必要なこと
- ガス給湯器に戻すメリットとデメリット
エコキュートからガス給湯器へ戻す理由
エコキュートからガス給湯器へ戻す方の多くは、エコキュートの使用感やコスト面での不満があるとされています。
エコキュートへの不満として特に多いのは、以下の5つです。
電気代の高騰
近年は電気料金が値上がりしており、以前よりエコキュートのランニングコストが以前よりも高くなっていると感じる方が増えています。
電気代高騰の理由は、国内の電力供給不足や燃料取引価格の高騰、円安や国際情勢などさまざまです。
電力会社が設定する電気料金の金額は、一律ではなく各社ごとに異なりますが、2020年以降は業界全体での値上げが続いています。
2023年6月以降では大手電力会社が電気代の値上げを開始し、東京電力では15.9%、北陸電力では39.7%、中国電力では26.1%、沖縄電力では36.6%の値上げ率となっています。
そのため、エコキュートを使用していても、以前より給湯にかかる光熱費の節約効果が低く、ガス給湯器に戻すなどオール電化をやめたいと考える人が増えているようです。
交換工事が高額
エコキュートは、給湯器の中でも本体価格や工事費が高い傾向にあります。
ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つの機器で構成されており、構造が複雑ですので本体価格は高く、機械のサイズが大きいことから交換設置は複数人で行い時間もかかるため、工事費用も高めです。
そのため、エコキュートが故障して交換を検討する際に、費用面で悩む方は少なくありません。
一方、ガス給湯器はタンクを必要とせず、サイズはコンパクトで軽量化されており、本体価格や工事費は給湯器の中でも比較的安価です。
お湯切れのリスク
エコキュートは貯湯タンクに貯めたお湯を使い切ると、お湯切れを起こします。
お湯切れを起こした場合、「沸き増し運転」によって設定時間外でもお湯を沸かすことができますが、沸き増しが終わるまでは適温のお湯が使えなくなります。
シャワー1人分程度のお湯を沸かすためにかかる時間は、水温に左右されますが約30分~1時間程度。
昼間など夜間電力の時間外に沸き増し運転を行った場合、電気料金プランによっては通常より電気代が高くなることもあるのです。
一方、ガス給湯器は瞬間湯沸かし方式のため、お湯切れを起こす心配はありません。
貯湯式よりも使い勝手が良いという点が、ガス給湯器へ戻したい理由である方も多いようです。
水圧が低い
エコキュートの水圧は、ガス給湯器の3分の1程度しかありません。
給湯時に貯湯タンクに強い圧力がかかってしまうと故障の原因になるため、水圧に耐えられるように減圧弁で水圧を下げて調節するためです。
圧力の単位はPa(パスカル)で表され、1kPaは1,000Paに相当します。
瞬間式のガス給湯器の水圧は、一般的には500kPa程度です。
エコキュートの水圧は、標準タイプが約180~190kPaで、近年登場した高圧力タイプでも280~320kPa程度。
強めの水圧を好まれる方にとっては、エコキュートの水圧では物足りなさを感じるため、勢いよくシャワーを浴びることができるガス給湯器に戻したいと考えられる方も少なくないようです。
騒音問題
エコキュートの騒音問題は、主にヒートポンプから発生する低周波音と、稼働時の振動が原因です。
ヒートポンプが発する低周波は12.5Hz程度で、通常は人の耳では聞き取ることができません。
ですが、低周波音による影響の受けやすさは個人差が大きく、人によっては圧迫感や倦怠感が気になることや、頭痛や肩こりやめまい、イライラして集中力が続かない、眠れなくなったなどの症状が現れることがあります。
また、エコキュートは稼働時に約40dB程度の騒音が発生します。
40dBは昼間の閑静な住宅街や、図書館の館内ほどの音量であり、一般的には静かな音の大きさと言われます。
日中だと気にならない程度の音量ですが、エコキュートがお湯を沸かすのは電気代が安い深夜帯ですので、設置場所が寝室に近いなど、環境によっては稼働音をうるさく感じることもあるでしょう。
また、隣家との距離が近い場合には騒音トラブルから苦情がきたり、訴訟に発展したりするケースもあります。
このように、エコキュートが発する騒音が原因で、ガス給湯器に戻すことを検討される方もおられるようです。
エコキュートからガス給湯器へ戻す費用相場
エコキュートからガス給湯器への交換費用は、約20~40万円がおおよその相場です。
交換費用の内訳は、「エコキュートの撤去費用・ガス給湯器の本体代金・設置工事費」が基本となります。
加えて、設置場所の状況、既存のガス管の有無、追加工事の必要性などが発生する場合もございます。
このうち費用に最も影響するのは「ガス給湯器の本体価格」です。
安価な給湯専用タイプでは本体価格が7~14万円程度ですが、追い焚き機能付きふろ給湯器では約16~25万円、暖房機能が搭載されたタイプでは約30万円と、機種によって金額に大きな違いがあります。
また、設置場所の状況によっては必要なスタッフの数や工事内容が異なること、業者の料金体系などの要素も、費用に影響を与えます。
もしガス管が自宅敷地内に通っていない場合は、ガス管の敷設工事も必要となる点にも注意が必要です。
ガス給湯器に交換する手順
事前に確認すること
エコキュートからガス給湯器に戻す際は、事前に以下の3点を確認しましょう。
ガス管の工事が必要かどうか
ガス給湯器を使用するにあたって、自宅の敷地内にガス管が通っているかの確認が必要です。
以前ガス機器を使用していた場合には、既存のガス管を再利用することができます。
自宅敷地内にガス管が通ってなければ、ガス管を新たに通す工事をガス会社に依頼しなければなりません。
設置するガス給湯器の選定
エコキュートからガス給湯器に戻す際は、どのガス給湯器を取り付けるか決めておく必要があります。
お湯を使う人数、追い焚き機能の有無、床暖房や浴室乾燥機など暖房端末に対応しているか、設置場所の状況、デザイン、省エネ性能など、ライフスタイルや条件に合わせて適切な機種を選びましょう。
おすすめは省エネ性能に優れた潜熱回収型ガス給湯器の「エコジョーズ」です。
エコジョーズは従来型のガス給湯器と比較して、ガスの使用量や待機電力の消費量が少ないため、給湯にかかる光熱費を安く抑える効果が期待できます。
工事業者の選定
エコキュートからガス給湯器への交換工事は、有資格者による作業が必要であり、DIYなど自分で交換することはできません。
そのため、ガス会社や家電量販店、ガス機器交換の専門業者など、ガス機器を取り扱っている業者に工事を依頼する必要があります。
業者を選定する際は、複数の業者で相見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
相見積もりを取ることで、料金はもちろん、保証やアフターサービスの内容、担当スタッフの知識レベル、相性の良し悪しなども比較することができます。
おすすめは給湯器交換の専門業者で、対応の速さや、独自の料金体系による価格の安さが特徴的です。
ただし、一般の専門業者に依頼する場合は、ガス機器交換に関する資格を保有しているか、知識レベルや保証内容は十分であるかなど、信頼できる業者であるかをしっかり確認するようにしましょう。
まれにですが無資格業者が工事を行い、正常にお湯が出ない・ガス漏れした・工事のやり直しを依頼したら追加料金を請求されたなど、後々トラブルに発展するケースもあるようです。
工事の手順
エコキュートからガス給湯器に戻す工事は、以下の手順で行います。
- 現在設置されているエコキュートを撤去する
- 新しいガス給湯器を設置する
- 各配管を接続する
- 点検、試運転を行う
工事にかかる時間
工事時間の目安は、一般的に4~7時間程度。
設置場所の状況にもよりますが、長くても半日以内には終わることが多いです。
エコキュートからガス給湯器に戻すメリット
交換費用が安い
エコキュートからガス給湯器に戻す場合、エコキュート同士の交換よりも費用を抑えることができます。
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つの機械が必要で、機械の構造が複雑でサイズも大きいため、給湯器の中でも交換費用が高めです。
一方、瞬間湯沸かし方式のガス給湯器はエコキュートに比べて構造がシンプルで、貯湯タンクを使用しないためコンパクトなサイズとなっていることから、交換費用は安価な部類となります。
特に、既存のガス配管が残っている場合は、追加工事が少なく済むため、よりコストを削減できるでしょう。
性能や種類にもよりますが、エコキュートの交換費用の相場は35~75万円、ガス給湯器の交換費用の相場は20~40万円。
給湯器交換にかかるコストを抑えたいのであれば、ガス給湯器への交換がお得です。
お湯切れの心配がなくなる
エコキュートは貯湯式のため、一度に使用できるお湯の量には限りがあります。
タンク内に貯めた水を温めてお湯にして保存する仕組み上、お湯を使いすぎるとお湯切れを起こすためです。
そのため、急な来客が合った場合や、家族人数が増えた場合、冬場に長時間お湯を使う場合などでは、タンク内のお湯が足りない状況となることもあります。
その点、ガス給湯器は瞬間湯沸かし方式を採用しており、必要な時に必要な量のお湯を作ることができます。
お湯の使用量に制限がないため、お湯切れの心配がありません。
狭い場所にも設置できる
エコキュートは大容量の貯湯タンクが必要なため、設置には一定のスペースが必要です。
近年はコンパクトタイプも販売されていますが、戸建てでも敷地が限られている場合や、マンションに設置する際には、スペースの確保が課題になることがあります。
一方、ガス給湯器はコンパクトな設計の製品が多く、設置場所を選ばず柔軟に対応できます。
壁掛型や据置型など設置タイプも豊富な種類があることから、限られたスペースでも問題なく設置できる点は、メリットのひとつと言えるでしょう。
低周波音がなくなる
エコキュートの運転時には、ヒートポンプの低周波音や、稼働音が発生します。
どちらも人によっては気にならないレベルですが、深夜に作動するため、音に敏感な人では体調不良を起こす可能性があるのです。
自宅内の家族だけでなく、住宅密集地では近隣の住宅に影響を及ぼして問題となるケースもあります。
ガス給湯器は低周波音が発生せず、稼働音はお湯を使用した時だけ発生します。
そのため、エコキュートからガス給湯器に戻すことで、騒音に悩まされたり近隣住宅への影響を気にしたりせず、快適にお湯を使えるようになると言えるでしょう。
定期点検が不要
エコキュートは、機器の長寿命化や性能維持のために、定期点検が必要不可欠となっています。
推奨される点検頻度は、専門業者による点検が1〜2年に1回。
自己点検は、貯湯タンクの水抜き、ストレーナーやフィルターの清掃など、部品ごとにメンテナンス頻度が異なります。
一方、ガス給湯器は定期的な点検が義務付けられているわけではなく、異常がなければ特にメンテナンスの必要はありません。
ガス給湯器の耐用年数(寿命)は10年で、通常は使用開始から10年が経過した時点での点検または交換が推奨されています。
そのため、ガス給湯器はエコキュートよりも、維持管理の手間を軽減できる点にメリットがあるといえます。
お湯の飲用が可能
エコキュートが作ったお湯は、直接飲むことはできません。
貯湯タンク内に長時間貯めておくことからカルキが抜け、水道法が定める飲用水の水質基準を満たさなくなるからです。
一方、瞬間式の湯沸かし方式が採用されたガス給湯器で提供されるお湯は、飲用することができます。
ガス給湯器はいつでも沸かしたてのお湯を提供しますので、飲用が可能となっているのです。
ただし、ガス給湯器であっても、給湯器内部や配管内に長時間とどまっていた水は、飲用や調理用として適しません。
各メーカーの取扱説明書には、「朝いちばんなど長時間にわたってお湯を使用していなかった時は、熱いお湯が出る前に排出される水を飲用したり調理に使用したりせず、雑用水として使用してください」という旨の注意事項が記載されています。
配管内に長時間滞留した水は、消毒用の塩素が減少していることや、配管の種類によっては少量の鉛が溶けだすことがあるなど、健康への影響が懸念されます。
エコキュートからガス給湯器に戻すデメリット
光熱費が高くなる
エコキュートは電気代が安い深夜電力を利用してお湯を沸かすため、他の給湯器と比較して圧倒的にランニングコストが低いという特徴があります。
そのため、エコキュートからガス給湯器に戻すと、給湯にかかる光熱費が上がるというデメリットに注意しなければなりません。
エコキュートから都市ガス対応のガス給湯器に戻した場合、年間のランニングコストはエコキュートよりも5~7万円ほどアップすると言われています。
特に、LPガス(プロパンガス)が主流の地域にお住まいの場合、ガス代が都市ガスよりも高くなる傾向にあるため、ガス種の確認も大切です。
CO2の排出量が増える
エコキュートは高効率ヒートポンプ技術を用いた湯沸かし方式を採用することで、給湯器の中でも省エネ性が特に高いです。
1年間の給湯にかかるCO2の排出量で比較すると、エコキュートは463kgで、都市ガスを利用したガス給湯器では1,348kg(※参照:ダイキン「エコキュートとは?エコキュートのしくみから詳しくご紹介」)。
つまり、エコキュートからガス給湯器に戻すことで、CO2の排出量が約3倍になってしまうのです。
普段からエコを意識されている、環境に配慮した生活を送りたい方の場合は、環境負荷が抑えられるエコキュートがおすすめとなります。
災害時に復旧が遅くなる
エコキュートはガス給湯器よりも災害に強いと言われています。
地震や台風など大規模な災害が起きた際、ライフラインが止まることがありますが、復旧が早いのは「電気・水道・ガス」の順であることが一般的です。
エコキュートは復旧の早い電気と水道を利用してお湯を沸かすことができるため、ガス給湯器よりも早くお湯を復旧させることができる可能性が高いと言えます。
さらに、エコキュートの貯湯タンクは大容量の水を貯めておくことから、日常的に生活用水も確保できます。
そのため、災害への備えという観点から考えると、エコキュートからガス給湯器に戻すことで防災力が弱まることが懸念されます。
電気代の割引サービスが受けられない
エコキュートを使っていて、オール電化住宅向けの電気料金プランに加入している場合、ガス給湯器に戻すことでオール電化割引を受けられなくなり、電気代が上がる可能性があります。
ただし、太陽光発電システムの普及や深夜電力の需要増加に伴い、各電力会社はオール電化住宅割引や深夜電力割引などの制度を廃止したり新規受付を停止したりする傾向にあります。
エコキュートをガス給湯器に戻すことを検討されている場合、ご加入中の電気料金プランに割引が適用されているか、割引額はいくらか、ガス給湯器を使用した場合の給湯にかかる光熱費などについて、確認したりシミュレーションしたりしておくべきと言えます。
ガス管の引き込み工事が必要な場合も
オール電化住宅にお住まいで敷地内にガス管が通っていない場合、ガス給湯器を新たに設置するためには、都市ガス用のガス管を敷地内に引き込むための配管工事が必要となります。
都市ガスの本管は道路と並行するように設置されていることが多く、自宅敷地内に引き込む際にかかる費用は、ガス導管1メートルあたり1~2万円が平均的な金額です。
工事費の合計費用は一般的には15~20万程度と言われていますが、ガス本管と自宅まで距離があると、金額はそのぶん高くなります。
また、ガス本管を自宅敷地内に通す際、他人が所有する土地や私道を通さなければならない場合には、土地の所有者から了承を得なければならない点にも注意が必要です。
エコキュートからガス給湯器に戻す まとめ
エコキュートからガス給湯器に戻すことで、交換費用の節約やお湯切れの心配がなくなるといったメリットがありますが、一方で光熱費の増加や環境負荷の増大といったデメリットも考慮する必要があります。
それぞれの特徴を理解したうえで、自宅の環境やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
給湯器交換のユプロでは、エコキュートからガス給湯器への交換、エコキュートの取り換え工事のどちらにも対応可能となっています。
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