
風呂釜は浴槽のお湯を温めたり追い焚きしたりする装置であり、古い住宅や一部のマンションでは今も多く利用されています。
消耗品のため、長年使用するうちに劣化や故障が進むと快適にお湯が使えなくなるため、交換しなければなりません。
風呂釜の交換と一口に言っても、種類や工事方法によって費用は大きく変わります。
交換費用の相場はもちろん、交換すべきタイミング、どの業者に依頼すべきかなど、基礎知識をしっかりと把握しておくことが大切です。
本記事では、風呂釜交換の必要性や種類ごとの特徴、費用相場と内訳、交換の流れや業者選びのポイントまでを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 風呂釜の種類
- 交換にかかる費用相場
- 交換のタイミング・故障のサイン
- 風呂釜交換で注意すべきこと
風呂釜とは
風呂釜は、浴槽に張った水を沸かしてお湯にする、浴室用の湯沸かし設備です。
ガス・灯油・電気などの熱源を使って、浴槽のお湯を追い焚きしたり、種類によってはシャワー用の温水も供給できるタイプもあります。
お風呂専用の設備ですので、キッチンや洗面化粧台でお湯を使うことはできません。
代表的な風呂釜の種類は、以下のとおりです。
代表的な風呂釜の種類と特徴
- バランス式風呂釜
(BF式) -
浴槽の横に隣接して設置するタイプ。
燃焼に使う空気の給気と排気は屋外で行うため、浴室内の空気を使わず一酸化炭素中毒のリスクが低い安全設計が特徴です。
電池を使って点火することから、停電時でもお湯を使うことができます。
バランス釜は公営住宅を中心に広く普及しましたが、現在は屋外設置型給湯器が主流のため、新規で設置されることはほとんど無くなりました。
築年数の古い物件などでは現役で使われています。
- FF式
-
屋内に設置する強制給排気式の風呂釜で、給排気用の煙突が壁を貫通する形で屋外に繋がっています。
燃焼用の空気を屋外から給気し、ファンで強制的に排気を行います。
浴室内に燃焼ガスが流入するリスクが少なく、安全性が高いのが特徴です。
シャワー付きや、リモコンによる自動湯はり・追い焚きなど機能が充実した機種がございます。
使用するには100Vの電源が必要となります。
- CF式
-
自然排気型とも呼ばれ、室内の空気を使って燃焼させ、排気筒で屋外に排気する方式の風呂釜です。
設置コストが低いですが、換気が不十分だと一酸化炭素中毒のリスクがあり安全性に問題が生じることがあります。
現在は法律によって新規設置が禁止されており、交換するならFF式またはRF式がおすすめです。
- FE式
-
強制排気型の風呂釜で、屋内に機器を設置します。
設置場所に制約があり、近年ではほとんど見られなくなりました。
室内の空気を使って燃焼して、ファンを使って強制的に屋外へ排気を行います。
古いFE式では安全装置が搭載されていない物もあり、一酸化炭素中毒のリスクが懸念されます。
- RF式
-
屋外設置型の風呂釜で、燃焼に必要な空気の供給から排気まですべて屋外で行うため、室内環境に影響を与えません。
設置スペースが限られている住宅や換気に不安がある場合に選ばれることが多いタイプです。
据置型と設置フリー型の2種類の設置タイプがあり、リモコン操作ができる機種なら自動湯はりや追い焚きなど便利機能が充実。
戸建て住宅やリフォーム時の取り付けに向いています。
風呂釜の交換費用相場と内訳
風呂釜の交換にかかる費用は、種類や工事内容によって大きく異なります。
ここでは、一般的な費用相場と内訳を解説します。
風呂釜交換にかかる費用の内訳
風呂釜交換にかかる費用は、主に「本体価格+工事費+処分費+その他費用」の4つの要素で構成されています。
- 本体費用
-
新しく設置する風呂釜本体の価格です。機能やメーカー、種類によって価格が大きく異なります。
- 工事費用
-
既存の風呂釜の撤去、新しい風呂釜の設置、配管工事などにかかる費用です。
- 処分費
-
古い風呂釜を処分するのにかかる費用です。業者によっては標準工事費やその他費用に含まれていることも。
- その他費用
-
交通費や出張費、部品代などが含まれます。
風呂釜から風呂釜に交換する費用
既存の風呂釜と同じタイプに交換する場合、費用相場は 10万円から20万円ほどです。
定番のバランス釜からバランス釜への交換なら、約15万円が一般的な相場となります。
風呂釜から風呂釜への交換は、工事が比較的簡単なので、費用も抑えられます。
バランス釜から給湯器に交換する費用
バランス釜から、現在主流の給湯器に交換する場合は、15万円から30万円がおおよその相場となります。
給湯器本体の設置場所や、給湯・給水配管、ガス管の引き直しなどが必要になるため、工事費用は現場によって大きく変動します。
バランス釜から壁貫通式ふろ給湯器に交換する費用
浴槽の横に設置するバランス式風呂釜から、壁に埋め込むタイプの給湯器に交換する場合の費用相場は、25万円から40万円が一般的な費用相場です。
給湯器の本体価格は性能によって異なり、浴槽リフォームは現場状況によって工事費用が大きく変動します。
状況によっては50万円を超過することや、工事自体ができないこともございます。
正確な金額を知るには見積もりが必要
上記では一般的な費用相場をご紹介しましたが、正確なお見積もりには現地での調査確認が必要となります。
風呂釜の交換にかかる費用は、選定する機種の種類や性能、リモコンの有無、省エネタイプかどうか、設置環境などの要素によって大きく変わります。
マンションや戸建てなど建物の構造、既存の配管の状態、電源の位置によっても費用が増減します。
特にマンションの場合は配管スペースが限られているため、工事の難易度によって追加費用や部品代が別途発生することも少なくありません。
そのため、風呂釜交換を検討されているのであれば、事前に専門業者へ相談し、現地調査を経て正確な見積もりを確認することが重要です。
風呂釜交換のサイン!交換時期のタイミング
風呂釜を交換する目安は、以下のような症状が出始めたときです。
- 操作つまみが硬い、開きにくい
- 点火時に「ボン」「パチパチ」などの異音、不規則な音がする
- 着火しにくい、点火しないことがある
- お湯の温度が安定しない、追い焚きができない
- お湯が沸くのに時間がかかる
- ガス臭や焦げ臭などの異臭がする
- 黒い煙が出た
- 外観のサビ・腐食・水漏れがある
- 使用から10年以上経過している
これらの症状が見られる場合は修理では対応しきれない可能性が高く、交換を検討するサインといえます。
無理に使い続けると急な故障につながり、生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
風呂釜の寿命は約10年
設置から10年以上経過している風呂釜は、耐用年数(寿命)を超過していることから、内部部品が劣化しています。
特に目立った不具合がなくても、いつ故障してもおかしくない状態です。
古い風呂釜は「点火しにくい」「異音や異臭がする」「湯温が不安定」などの症状が起きてから壊れることが多いですが、何の前兆もなく急にお湯が使えなくなることもあります。
突然の故障で困ることがないよう、早めの交換を検討することをおすすめします。
風呂釜は自分で交換できる?
風呂釜の交換は基本的に自分で行うことはできません。
専門的な知識や技術に加えて「ガス可とう管接続工事監督者」「液化石油ガス設備士」などの資格が必要だからです。
資格を持たない人がガス機器の交換を行うことは法律で禁止されており、万が一誤った施工をするとガス漏れや爆発、一酸化炭素中毒などの重大な事故につながる危険性があります。
ガス管や給水配管の接続、燃焼器の調整、電源の確保といった工程は専門資格を持つ作業者しか扱えないため、DIYでの交換は行わないでください。
どうしてもDIYを希望する場合は、壁や床の補修、浴槽や風呂蓋の交換といった外装部分の作業に限られ、風呂釜本体の設置や接続は必ず有資格者に依頼するようにしましょう。
風呂釜交換の流れ
風呂釜交換の工事は一般的に以下の手順で進められます。
- 現地調査(設置環境や配管状況の確認)
- 見積もり提出
- 工事日の調整
- 古い風呂釜の撤去
- 新しい風呂釜の設置・配管接続
- 動作確認・使用説明
作業時間は半日~1日程度が目安です。
工事の内容によっては数日かかる場合もあるため、依頼時に業者に作業時間を確認しておくと良いでしょう。
風呂釜交換で注意すべきポイント
賃貸で風呂釜が壊れたら貸主に連絡を
賃貸物件での風呂釜交換は、貸主や管理会社の責任によって対応されるものです。
借主が自分で交換することや、業者を手配することは認められていません。
風呂釜が経年劣化や災害等の影響で故障した場合、交換費用は貸主が負担するのが原則です。
ですが、自己判断で勝手に修理交換したり業者を手配してしまったりすると、費用負担が認められない可能性が非常に高くなります。
もし不具合の症状悪化や、床材や配管の損傷など被害が拡大した場合には、交換費用だけでなく修繕費も負担しなければなりません。
そのため、風呂釜が故障した・不具合の症状に気付いた場合には、すぐ管理会社や大家に連絡するようにしましょう。
複数の業者から見積もりを取る
風呂釜交換を業者に依頼する際は、一社だけでなく複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
相見積もりを取ることによって、見積もりの内訳が明確かどうか、工事の内容、追加料金の有無などを比較することができます。
また、工事日程、アフターサービスや保証の有無、スタッフの知識レベルや対応なども比較できるため、安心できる業者選びにもつながります。
信頼できる業者を選ぶ
風呂釜や給湯器の設置には、ガス機器設置スペシャリストや給水装置工事主任技術者などの専門資格が必要です。
風呂釜設置工事に必要な資格を保有しているか、適切な許可を得ている業者であるかを確認するようにしましょう。
また、業者のホームページや口コミ、施工事例なども確認し、豊富な実績があるか、利用者からの評判は良いかなどもチェックしておくと安心です。
地元の業者であれば、地域密着で迅速な対応が期待できます。
信頼できる業者を選ぶことが、トラブルを避け、安心して交換を完了させるための鍵となります。
アフターサービス・保証内容
交換後のアフターサービスや保証内容も重要なポイントです。
万が一、交換後に不具合が発生した場合でも、迅速かつ丁寧に対応してくれる業者を選びましょう。
まとめ:風呂釜交換は早めの検討と信頼できる業者選びが重要
風呂釜は毎日の入浴を支える重要な設備であり、劣化や故障の兆候が見られたら早めに交換を検討することが大切です。
耐用年数(寿命)は約10年で、お湯が出ない・追い焚きができない・異音・異臭など不具合に気づいた場合は早めに修理や交換を手配するようにしましょう。
風呂釜は種類や交換方法によって交換費用が変動するため、相場の把握や適正価格であるかを判断するために、複数の業者に見積もりを依頼することが重要なポイントです。
有資格者が所属するプロの業者に相談し、安全かつ確実な交換を行い、快適なバスタイムを取り戻しましょう。
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