エコキュート370Lでお湯が足りない?
原因と対策、容量アップの基準などを徹底解説

エコキュート370Lでは足りない?原因と対策、容量アップの基準などを徹底解説

エコキュートは経済的で環境にも優しい給湯システムとして、多くの家庭で利用されています。

ですが、主に3~5人家族向けとされるタンク容量370Lタイプをお使いのご家庭では、「すぐにお湯切れする」「冬場になるとお湯がぬるい」といった悩みが生じることがあります。

370Lのエコキュートでお湯が足りなくなる原因は、家族構成やライフスタイルの変化、季節的な要因など、多岐にわたります。

この記事では、「エコキュートの容量370Lでお湯が足りない」と感じたときに、まず確認すべき原因と今すぐ試せる設定変更の対処法を詳しく解説します。

根本的な解決策である大容量モデルへの交換を検討する目安やタイミング、交換にかかる費用についても詳しくご紹介します。

この記事でわかること

  1. 370Lでお湯が足りなくなる原因
  2. お湯不足の時に試せる対処方法
  3. 容量アップが必要な状況
  4. 交換にかかる費用の目安

エコキュート370Lの容量はどのくらい?

エコキュートの貯湯タンク370Lは、メーカーでは「3~5人家族向け」とされています。

タンクに貯めた熱湯に水を混ぜて出湯するため、実際に使えるお湯の量は倍ほどで、約650~750Lが目安です。

家族構成別に見る370Lの適正容量

370Lタイプが「3〜5人家族向け」とされているのはあくまで目安です。

容量の大きな460Lは4~7人家族向けですので、家族人数が4人以上の場合だと370Lでは湯量が足りない可能性があるため注意が必要となります。

具体的には、3人家族ならほぼ問題なく370Lで足りるとされています。

浴槽へのお湯はり1回、シャワー3回、炊事、洗面、手洗いに使用するお湯は、貯湯タンク370Lでまかなえる可能性が高いです。

4人または5人家族でも入浴スケジュールを工夫したり、深夜電力でしっかり毎晩沸き上げしていれば十分なケースが多いでしょう。

ですが、お湯の使い方によっては370Lではタンクの湯量が足りず、お湯切れを起こすことがあるので注意が必要です。

タンク容量370Lでお湯が足りなくなる主な原因

エコキュート370Lで湯量不足が起きるのは、必ずしも機器の故障とは限りません。

設定や使用状況が原因でお湯切れを起こすのであれば、交換せずに改善できる可能性があります。

まずは、何が原因でお湯が不足するのか確認してみましょう。

家族構成やライフスタイルが変化した

エコキュートの370Lは一般的に3~5人家族を想定した容量ですが、お湯を使用する人数が増えたり、使用パターンが変化したりすると、湯量不足になることがあります。

子どもの誕生や成長、親との同居などで家族人数が増えると、エコキュートを設置した時点より必要な湯量は増えます。

仕事や学校の都合で入浴の時間がバラバラになるなどライフスタイルが変化した場合では、頻繁に追い焚きをすることで必要な湯量が増えて、370Lでは足りなくなることも。

また、エコキュートは一日で使うお湯を電気代の安い夜間にまとめて沸き上げますので、夜間にたくさんお湯を使うと、翌日に必要なお湯の沸き上げが間に合わなくなるケースもあります。

お湯の使用量が多い

貯湯タンク370Lでお湯の使用人数3~5人であっても、お湯を大量に使うとお湯切れを起こすことがあります。

例として、家族全員がシャワーをたくさん使用する、湯船にお湯を張る回数が多いなどでは、お湯の消費量がタンク容量を超えてしまうかもしれません。

入浴時間にバラつきが合って何度も追い焚きする、朝風呂の習慣があるなどの場合も同様です。

また、急な来客や大掃除などで一時的にお湯をたくさん使った場合もお湯切れを起こすことがあります。

外気温が低下している

エコキュートは外気温の影響を受けやすく、気温が下がる冬になると370Lではお湯が足りなくなることがあります。

エコキュートはヒートポンプ技術により空気中の熱を使って効率的にお湯を沸かしますが、気温が下がるとヒートポンプ効率が落ちてしまいます。

空気中の熱を効率よく集められず、水道水も非常に冷たくなることから、春夏に比べると沸き上げにも時間がかかりやすく、実際の貯湯率が下がってしまうのです。

気温が低いと外気に触れる貯湯タンクや配管、浴槽からの放熱量が増える「放熱ロス」が大きくなることも、湯量不足の原因となります。

また、寒くなると入浴やシャワーの時間が長くなる、浴槽へのお湯はりや追い焚きの回数が増える、洗い物や洗顔でお湯を使うようになるなど、単純にお湯の使用量が増えることも冬にお湯が足りなくなる原因のひとつと言えるでしょう。

設定ミスや学習機能の誤認識

エコキュートの節約機能や学習機能などが、意図せず湯量不足を引き起こすことがあります。

エコキュートは設置時の初期設定が「節約モード」「おまかせ節約」などになっており、学習機能によって1週間ほどかけてお湯の使用状況を学習し、ライフスタイルに合わせて適切な湯量を判断します。

節約モードはお湯を無駄なく効率的に沸き上げるためのもので、沸き上げ温度や湯量が低く制限された状態です。

そのため、設置したてのエコキュートでは、使用人数3~5人でタンク容量370Lであっても、使い方によってはお湯が足りなくなることがあります。

学習モードは1週間程度の学習期間でお湯の使用量を学習し、集めたデータを元に各家庭の使用パターンに合わせて最適な湯量を決める機能です。

長期間の旅行や出張が続いたなど、一時的にお湯の使用量が減った後では、エコキュートの学習機能が「お湯はあまり使わない」と認識して、沸き上げ量が制限されて湯量不足を起こすことがあります。

エコキュート370Lで、お湯が足りないときの対処法

故障や容量不足が確定する前に、使い方や設定を見直すことで、湯量不足が解消する可能性があります。

また、エコキュートの一時的なトラブルや環境が原因となっている場合も、簡単な対処方法を行うことで湯量不足が改善されるかもしれません。

お湯の使い方を見直す

370Lでお湯が足りないと感じても、お湯の使い方を見直すことでお湯切れの防止ができる可能性があります。

単純にお湯の使用量を減らすだけですが、お湯切れ防止効果だけでなく、節電や節水の効果も得ることができ、導入も簡単ですので、まず最初に試す方法としておすすめです。

具体的な方法は、お風呂の時間を空けずに短時間で続けて入浴する、朝の入浴やシャワー時間は最小限に短縮することです。

入浴時間がバラバラだと、お風呂の沸かし直しや追い焚き、足し湯が頻繁に行われることでお湯をたくさん消費するため、なるべくまとまった時間に入ると良いでしょう。

節水シャワーヘッドの導入も効果的です。

一般的なシャワーヘッドの水量は1分間で約10Lですが、節水タイプであれば、種類によりますが約30~60%の節水効果を得ることができます。

また、シャワーや洗い物や洗顔の際に、お湯を出しっぱなしにしないように注意するなど、家族全員で節水を意識することも大切です。

設定変更

沸き上げ温度を上げる

エコキュートはタンク内の高温のお湯と水を混ぜて適温にする仕組みで、タンク容量のおよそ倍程度の湯量を使うことができます。

タンクに貯めるお湯の沸き上げ設定温度を上げておくと、多くの水で薄めることができるため、同じタンク容量でも使えるお湯の量を増やすことが可能です。

エコキュートは外気温に合わせて沸き上げ温度を設定することが推奨されていて、春・秋なら55℃、夏は50℃、冬は60℃がおすすめの設定となります。

家族人数3~5人でタンク容量370Lでお湯が足りないようであれば、65~80℃で沸き上げ温度を設定してみましょう。

沸き上げ温度を高温にすることで実質的に使用できる湯量が増え、雑菌の繁殖対策にもなるので衛生面でも安心です。

ただし、沸き上げ温度が高すぎると消費電力が増えるため、電気代が高くなる傾向にある点には注意が必要です。

沸き上げモードを「多め」または「満タン」に変更する

エコキュートは貯湯量を調節する沸き上げモードという機能が搭載されています。

出荷時の設定は通常「省エネ」になっており、光熱費を節約できる状態ですが、お湯の使い方や人数によっては湯量不足の原因となることも。

現在、沸き上げモードが「少なめ」「おまかせ」「省エネ」などに設定されているのであれば、「多め」「たっぷり」「満タン」などに変更すると、タンク内の貯湯量が増えてお湯をたくさん使えるようになります。

貯湯量を増やすと沸き上げに必要な水量や電力も増えますので、光熱費の負担が大きくなる傾向にあるため注意が必要です。

また、最初から満タン設定にするとお湯が無駄になる可能性があることから、まずは「多め」から試すことを推奨します。

お湯の温度を控えめにする

給湯やお湯はりの設定温度が高いと、貯湯タンク内のお湯が早く消費されてしまいます。

シャワーや浴槽のお湯はり温度を下げると、お湯の消費量が減ってお湯切れ防止効果を得ることができます。

ただし、給湯温度を下げすぎると、シャワーや入浴で体が十分に温まらない、リラックス効果が得られない、睡眠の質が低下するなどのデメリットが生じることも。

ストレスを感じない範囲で、無理なく設定温度を下げてみましょう。

学習機能をリセットする

エコキュートは1週間程度の学習期間からお湯の使用状況を記録して分析を行い、適切な湯量を判断します。

旅行や出張などでお湯の使用量が少ない状況が続くと、誤った使用パターンとして学習して、沸き上げ量がセーブされることがあります。

この場合は学習機能を一度リセットして、現在の使用状況を再学習させることで適切な沸き上げ量に戻せる可能性が高いです。

学習機能のリセット方法は、リモコンのメニューから「学習リセット」を選択するのが一般的で、エコキュート本体の電源を落として再起動でも可能です。

学習機能のリセットもエコキュートの再起動も、メーカーや機種ごとに方法が異なる場合があるため、必ず取扱説明書やメーカーサイトで手順をご確認ください。

「追い焚き」や「保温」の設定を見直す

エコキュートの「ふろ自動」は、浴槽のお湯を自動的に保温して快適な温度を保つ機能です。

保温にはタンク内のお湯を使いますので、ふろ自動が運転状態になっていると、意図せず湯量不足を引き起こす可能性があります。

家族全員がまとまった時間で入浴を済ませた、次の人が入浴するまで時間が空くなど、保温が不要な場合は自動保温を解除しておくと、余分な湯量を消費せずに済みます。

また、頻繁な追い焚き機能の使用もできるだけ避けるようにしましょう。

昼間の「沸き増し」を効果的に活用する

一時的にお湯が足りなくなった場合は、「沸き増し」運転を利用するのが最も効果的です。

夜間の沸き上げだけでは足りない場合に、緊急的に昼間の高い電力でお湯を追加で沸かします。

沸き増しはリモコンの「沸き増し」ボタンを押すことで簡単に行うことができます。

「自動沸き増し」では、貯湯タンク内の湯量が少なくなった際に自動で沸き増しを行い、手動で沸き増し操作をした場合は任意のタイミングで沸き上げを行うことが可能です。

湯切れが予測される日は前倒しで「沸き増し」ボタンを押して必要な分だけを沸かすのもおすすめです。

ただし、昼間の沸き増しは電気代が割高になるため、最小限の利用に留めましょう。

機器のトラブルや環境要因を疑う

使い方を変えていないのに370Lでお湯が足りなくなるようになった、使い方の見直しや設定変更でもお湯不足が解決しないなどの場合は、機器のトラブルや環境要因を疑う必要があります。

エラーコードの確認

リモコンにエラーコードが表示されていないかを確認し、表示されていればメーカーの取扱説明書で意味と対処法を確認します。

一時的なエラーであれば、正しい対処方法を行うことでお湯が足りない症状が改善される可能性があります。

エコキュートの点検

普段370Lでお湯が足りていたのに急に不足するようになった場合、エコキュートに故障や不具合があるかもしれません。

よくあるトラブルは、温度センサーの故障や誤作動、お湯と水の流れを制御する弁(バルブ)の不具合、ヒートポンプの異常など。

この場合は、専門業者やメーカーによる点検が必要です。

エコキュートの修理やメンテナンスを自分ですることは禁止されていて、専門業者やメーカーのみが対応できます。

自分で直そうとして症状の悪化や部品の破損などが起きると、保険の対象外となり修理費用がすべて実費になる、全体的な交換が必要となる恐れがあります。

修理や点検、交換が必要になったら、必ず専門業者やメーカーに連絡するようにしましょう。

タンクや配管の水漏れ

貯湯タンクや配管が劣化・破損していると、水が漏れてお湯が不足したり湯切れ状態となったりする可能性があります。

まずはタンクやヒートポンプの周辺、配管をチェックして、水が漏れていないか確認してみましょう。

目に見えないところで水漏れが起きているケースもあるため、不自然な水音が聞こえる、水道メーターが回り続けるなどの異常が無いかの確認も重要です。

水漏れを発見した場合は、水の消費や漏電事故を防止するために、止水栓を閉めて水の供給を止め、貯湯タンクの電源を切ってください。

そのまま使用せず、エコキュートを設置した業者やメーカーなどに連絡し、修理を依頼しましょう。

応急処置で改善しない場合は容量アップを検討しよう

お湯の節約や設定変更、沸き増し機能の利用、修理や点検を行ってもお湯が足りない場合は、貯湯タンク370Lのエコキュートではライフスタイルに合っていない可能性が高いです。

容量を大きくすることで、単純にお湯切れのリスクが減るだけでなく、使用時間の自由度が増します。

以下で、エコキュートの買い替え・容量アップを検討すべき目安や容量選びについて解説します。

容量アップを検討すべき目安

家族人数が5人以上になった場合や、4人でも朝晩シャワーを浴びる習慣あるなど、お湯の消費量が多い場合は370Lでは足りないケースが多く、容量アップを検討すべき状況と言えます。

そのほか、浴槽へのお湯はりや追い焚きを頻繁に行う、冬季にお湯切れが何度も起きる、沸き増し機能を使ってもお湯が足りない、タンクの貯湯残量を気にしながら生活するのにストレスを感じるなども同様です。

460Lと550L、どっちがいい?

エコキュート370L(3~5人向け)から容量アップする場合は、460Lまたは550Lどちらかが選択肢となります。

460Lは4~7人向けで、約850Lのお湯を使用できます。

お湯の使用人数が5人以上や、4人家族でもお湯の使用量が多い場合に最適です。

大型モデルですのでお湯切れの心配が少なく、価格とのバランスも良いです。

550Lは5人~8人以上向けで、約1,000Lのお湯を使用できます。

2世帯住宅や、大家族、来客が多いご家庭など、たくさんのお湯が必要な場合に適しています。

特にシャワーを浴びる回数が多い、浴槽のお湯を頻繁に張りかえる、追い焚きを頻繁に行うようなら大容量モデルの550Lがおすすめです。

ただし、タンクサイズが大きいため設置場所は広いスペースと高さが必要で、商品を運搬する搬入経路が確保できるかにも注意が必要です。

貯湯タンクだけ交換は不可

貯湯タンクの容量を370Lから460Lまたは550Lに変更する場合は、エコキュート全体の交換が必要です。

エコキュートは基本的に、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの両方を同時に交換します。

ダイキンの一部の機種を除いて、通常はヒートポンプとタンクがセットで販売されており、容量アップのためにタンクのみ交換することはできません。

容量別 エコキュート交換費用の目安

エコキュートの一般的な交換費用は、370Lが約40~55万円、460Lが約45~65万円、550Lが約55~75万円が一般的な相場です。

交換費用の内訳は「本体代金・リモコン代・標準工事費・古いエコキュートの処分費・基本的な部品代」の合計で、標準的な工事を想定したものとなっています。

エコキュートの本体代金は機種やグレードによって大きく異なり、必要な部品や作業内容などは設置場所の状況や環境によって変わります。

正しい交換費用を知るには現地調査が必要ですので、上記金額はあくまで目安としてご参照ください。

まとめ:エコキュート370Lでは足りない場合の原因と対策、容量アップについて

エコキュートのタンク容量370Lは3~5人向けですが、生活スタイルや季節によっては適正人数でもお湯が足りなくなることがあります。

お湯をたくさん使う家庭や家族人数が増えたなどで、お湯が足りない場合、まずはお湯の使い方の見直しや、設定変更を試してみましょう。

給湯温度やお湯はり温度を少し下げたり、日中に沸き増し運転を活用したりすることで、お湯不足を解決できるかもしれません。

それでも改善しない場合や、水漏れや故障の症状がある場合は、買い替えが必要な可能性が高いです。

370Lからの容量アップは460Lまたは550Lが選択肢となります。

エコキュートはタンクのみ交換ができませんので、全体の買い替えが必要です。

エコキュートの容量アップによる交換、新規設置は給湯器交換のユプロにおまかせください。

ユプロではエコキュートの交換設置に年中無休で対応しており、容量についてのご相談も無料で承っております。

エコウィルからエコキュートへの交換にも対応可能ですので、エコキュートのことでお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

関連コラム 給湯器の「エコキュート」に関する記事一覧

TOP