給湯器エラーコード「113」について
原因と対処方法、修理交換の判断と費用相場

給湯器エラーコード「113」について|原因と対処方法、修理交換の判断と費用相場

給湯器のエラーコード「113」は、主に暖房系統で点火ができなかった場合に表示されるエラーです。

この記事では、エラーコード「113」が表示されたときに考えられるすべての原因、ご自身で今すぐ試せる対処法、修理交換が必要なケースについて詳しく解説します。

この記事でわかること

  1. エラーコード「113」の詳しい原因
  2. 自分でできる対処方法
  3. 修理が必要な状況
  4. 交換が必要なケース

給湯器のエラーコード「113」とは

エラーコード「113」は、給湯器の暖房用バーナーが点火できなかった、燃焼が始まらなかった、点火しても途中で失火した状態を示します。

床暖房や浴室暖房乾などを開始しようとした際に、給湯器内部の部品が故障したり異常を起こした、ガスが正常に供給されなかった場合などに、安全のため燃焼を停止した状態です。

エラーコード「113」の主な症状

「113」エラーが出た時は、次のような症状が現れます。

  • 暖房だけエラーが出るが給湯は使える
  • 床暖房が温まらない・運転が開始できない
  • 浴室暖房乾燥が動かない
  • 暖房の運転ボタンを押すとすぐに停止する
  • 点火音がせず、リモコンにエラーだけ表示される

シャワーや洗面台やキッチンなどで通常通りお湯が出るのに、浴室乾燥や床暖房が作動しないのは、エラー「113」の典型的な症状と言えます。

給湯器の暖房系統は給湯部分とは別構造であり、エラー「113」発生時は、給湯側が正常でも暖房側だけが動かない状態となるからです。

ちなみに、もし給湯側に点火不良が起きた場合は、エラーコード「111」がリモコンに表示されます。

給湯器のエラーコード「113」が起きる原因

エラー「113」の原因は、大きく分けて5つあります。

以下でそれぞれの原因について、詳しく解説します。

基板の故障

給湯器の基板(電装ユニット)は給湯器の心臓部とも呼ばれる重要な部品で、すべての部品の制御を行っています。

暖房バーナーの点火や燃焼制御も基板が管理しており、基板の不調・腐食・配線トラブルがあると点火動作を正しく行うことができなくなり、エラー「113」が発生します。

点火装置の故障

点火に関わる部品が摩耗・劣化すると、正常に点火できずエラー「113」が表示されます。

原因は、点火プラグの消耗や位置ズレ、イグナイタ(点火トランス)の劣化、暖房用バーナーや燃焼室の汚れや詰まりなどさまざまです。

点火プラグに異常がある場合、点火時の火花が弱い・火花がズレることにより、ガスが正常に流れていても点火しにくくなり、カチカチ音だけするケースがあります。

イグナイタに異常がある場合は電圧が十分に上がらず、火花が正常に飛ばず、火花音がしない・点火が不安定などの症状が目立ちます。

暖房用バーナーがススやホコリなどで詰まりを起こすと、ガスと空気の混合がうまくいかず、炎が不安定になったりすぐ消えたりすることがあります。

ガス供給の異常

ガスの供給に異常が起きている場合、バーナーまでガスが流れなくなり、エラー「113」が表示されることがあります。

原因は、ガス元栓が開いていない、ガスメーターの遮断、ガス切れなど。

ガスコックが何らかの理由で半開き、または閉まっている場合はガスの流量が足りず、正常に点火できなくなります。給湯は少量のガスで起動できるため、暖房だけ火がつかない場合もあります。

ガスメーターは異常なガスの流量や地震を検知した際に、安全のためガスを強制的に遮断します。

LPガス(プロパンガス)の残量不足、ガス料金の未払いがあると、ガスの供給が停止されます。

給気口・排気口の詰まり

給湯器の給気口や排気口が詰まっていると、燃焼不良や不完全燃焼から点火不良を起こし、エラー「113」の原因となることがあります。

一般的な給湯器は、給気口を通して屋外の酸素(空気)を取り込んで炎を燃焼させ、水を加熱してお湯を作ります。

燃焼後の排ガスは、排気口から屋外に排出される仕組みとなっています。

給気口や排気口が詰まりを起こすと、酸素の流入や排気ガスの排出が正常にできなくなるのです。

給排気口の詰まりの原因は、落ち葉や雪、虫や鳥の巣、ビニールやゴミなどによる物理的な詰まりのほか、強風による排気ガスの逆流も考えられます。

また、植木や塀、ダンボールやベニヤ板などが給湯器の給排気口を塞いでいることもあります。

悪天候の影響

大雨や台風などの悪天候時には、エラー「113」が発生することがあります。

これは、雨水が給湯器内部に入り込み、点火装置が濡れたり湿気たりすることで、点火不良が起きやすくなるためです。

悪天候時のエラー「113」は一時的な不具合である場合が多く、再起動やしばらく時間をおくことで改善することもございます。

給湯器のエラーコード「113」自分でできる対処方法

ここでは、エラー「113」の、自分でできる対処方法をご紹介します。

エラー「113」の原因はさまざまで、原因に合わせて適切に対処する必要があります。

故障原因によっては業者による本格的な修理交換が必要になることもありますが、一時的な不具合や原因によってはなど症状の場合は簡単な対処によってエラーが改善するケースも少なくありません。

業者に連絡する前に、まずは次の初期確認と対処方法を試してみましょう。

ガス供給の確認

まずは、ガスが正常に供給されているかを確認しましょう。

ガスコンロやガス乾燥機など、給湯器以外のガス機器も使用できない場合は、ガスの供給が止まっているかもしれません。

ガスが来ていない場合は暖房側が最初に停止し、「113」が出やすくなります。

ガスの供給停止は、ガスメーターのガス遮断やLPガスの残量不足、ガス料金の未納などが原因として疑われます。

ガスが遮断されている場合はご自身で復旧作業を行う、ガス会社へ連絡してガスの復帰やボンベの交換を依頼する、料金の支払いなどが自分でできる対処方法となります。

ガスメーターが遮断されていない場合は、ガスの元栓を確認し、閉まっているなら開いてください。

ガスメーターの復旧手順

ガスメーターの遮断ランプが点滅していないか確認して、点滅していれば復帰操作を行います。

ガスメーターの復旧操作の手順は、以下の通りです。

  1. すべてのガス機器の使用をやめる
  2. ガスメーターの前面にある復旧ボタンのキャップを外す
  3. 復帰ボタンを奥までしっかり押し込んで2秒ほど待つ
  4. 手を放してランプが点灯・点滅したら、安全のため3分程度待機
  5. ランプの点滅と「ガス止」の表示が消える
  6. ガス機器を使ってガスが復旧しているか確認

上記でご紹介したのは、一般的なガスメーター復旧作業の手順です。

詳細な説明はガスメーターに貼られた説明シールに記載されていますので、必ず説明書きの内容通りに行ってください。

また、自分で復帰操作を行ってもガスが復旧しなかった場合は、繰り返し操作することは避けて、ガス会社に連絡して復旧を依頼しましょう。

給湯器・リモコンのリセット(再起動)

一時的なエラーであれば、リセット操作を行うことでエラー「113」が改善する可能性があります。

以下で、給湯器のリセット方法を2通りご紹介します。

リセット操作は何度も繰り返し行わないでください。

リセットでエラーが消えない、消えてもエラーが頻発する場合は、本体の本格的な故障や部品の深刻な不具合が起きている可能性があります。

無理に使い続けると火災やガス漏れ、一酸化炭素中毒など重大な事故につながる恐れがありますので、機器の使用を中止して専門業者へ修理・交換・メンテナンスを依頼しましょう。

リモコンでリセットする方法

  1. 暖房・給湯すべての運転を止める
  2. リモコンの運転を「切」にする
  3. 10秒~1分ほど待つ
  4. リモコンをの運転を「入」にする
  5. 暖房運転を再度ONにしてエラーが消えるか確認

電源プラグでのリセット方法

  1. 暖房・給湯すべての運転を止める
  2. リモコンの運転を「切」にする
  3. 給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜く
  4. 10秒〜1分ほど待機する
  5. 電源プラグをコンセントに差し込む
  6. リモコンの運転を「入」にする
  7. エラーが消えて給湯器が正常に動作するか確認

給湯器の給排気を確認

給湯器の吸排気不良は、点火不良でエラー「113」を引き起こす大きな原因のひとつです。

屋外に設置されている給湯器本体の排気口や吸気口を確認し、落ち葉・ゴミ・雪・ビニールなどで塞がれていないかチェックして、塞がっている場合は異物を取り除きましょう。

特に台風後や落ち葉の多い季節、積雪時は、給排気口に詰まりが起きやすいため注意が必要です。

ダンボールや粗大ゴミが倒れて給湯器を覆ってしまうケースもあるため、本体周辺には荷物を置かないほうが賢明です。

また、給湯器には設置基準が定められており、正常な給排気や不完全燃焼防止のために、本体周辺に十分な空間を設けなければなりません。

塀やフェンスの設置や、ベニヤ板などで給湯器の目隠しを作る場合は、給湯器前方60cm以上、側面15cm以上、後方10cm以上のスペースを確保してください

しばらく時間をおく

悪天候の直後に「113」エラーが出た場合は、使用を中断して、しばらく時間をおいてみましょう。

屋外に設置する給湯器は風雨に強い設計ですが、強風や豪雨の際には機器内部に雨水が入り込んだり湿気たりすることが原因でエラーが表示される可能性があります。

無理に繰り返し操作せず、数時間から半日ほど時間をおいてから再度リセットを試してみてください。

自然に水分が抜けることで、正常に点火できるようになるケースもあります。

「113」エラーが消えない・繰り返すなら修理交換が必要

自分でできる対処方法を試しても、エラー「113」がすぐに再発する場合は、給湯器内部の故障が疑われます。

考えられる主な原因は以下の通りです。

  • 点火プラグやイグナイタの故障
  • ガス弁や暖房バーナーの異常
  • 電装基板の故障
  • 暖房系統内部の劣化・腐食
  • 給湯器の寿命

点火装置や電装基板などの内部部品は、一般のご家庭で修理することはできません。

専門業者やメーカーによる点検・修理、または交換対応が必要となります。

メーカーに修理を依頼する

エラー「113」は点火系統や暖房バーナー、電装基板など給湯器内部の重要部品に関わるトラブルであるため、一般的な給湯器交換業者では修理対応ができません。

給湯器の修理は、メーカーもしくはメーカーが認定した代理店のみが対応可能となっており、部品手配や点検もメーカー経由で行われます。

そのため、「113」エラーで修理を希望される場合は、必ず給湯器メーカーへ修理を依頼してください

無資格の業者による分解・修理は、安全面のリスクが高く、保証対象外になる可能性もあります。

修理費用の目安

修理費用は故障箇所や機種、メーカーによって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

点火プラグ交換

12,000〜20,000円

電装基板交換

25,000〜45,000円

ガス弁交換

20,000〜40,000円

出張診断費

3,000〜8,000円

給湯器の年式やメーカー、地域によって修理費用は変動します。

また、お住まいの地域や給湯器の設置環境、早朝や深夜作業となる場合などでは、追加費用が発生することもあります。

修理費用の詳しい料金は、メーカーに直接お問い合わせください。

給湯器自体を交換する

長期間使用している給湯器でエラー「113」が発生した場合は、修理よりも本体交換を検討する時期といえます。

給湯器の耐用年数は約10年

10年以上使用している給湯器は耐用年数を超えているため、交換が最も適切な対応となります。

古い給湯器は全体的に老朽化が進んでいるため、一度修理しても同じ症状が再発したり、別の部品が次々に故障したりする可能性が高くなります。

修理を何度も繰り返したり、複数の部品交換が必要になったりすると、結果的に修理費用がかさみ、かえって高額になることも少なくありません。

10〜15年を超えると部品供給が終了することも多く、修理自体ができないケースもあります。

長期的な費用負担や安心面を考えると、早めに給湯器を交換したほうが、結果的に安く済む場合が多いと言えるでしょう。

交換費用の目安

給湯器交換にかかる費用の目安は以下の通りです。

給湯器の種類 交換費用の目安
給湯専用 約7~14万
ふろ給湯器(追い焚き付き) 約16~25万
暖房給湯器 約23~32万
エコジョーズは約2~6万円アップ

上記で紹介した交換費用は、2025年時点における一般的な相場です。

実際の交換費用は、設置状況や給湯器の種類、依頼する業者によって変動します。

価格の安さだけで業者を選ぶと、不適切な工事や無資格施工などのリスクがあるため注意が必要です。

必ず複数業者から見積もりを取り、内容やスタッフの対応を比較検討したうえで判断しましょう。

給湯器交換はどこに依頼する?

給湯器の交換は、メーカー以外の業者でも対応可能で、家電量販店・工務店・ホームセンター・ガス会社などでも工事を行っています。

依頼先によってメリットやデメリットが異なりますが、費用を抑えて、できるだけ早く交換したい場合は、給湯器交換の専門業者に依頼するのがおすすめです。

専門業者であれば自社で在庫を持っていることが多く、現地調査から工事完了までがスムーズで、機種選定や補助金対応の相談にも柔軟に対応してもらえます。

なお、交換を依頼する業者選びでは、複数の業者から相見積もりを取り、価格や工事内容を比較検討することが重要です。

施工に必要な資格の有無や工事後の保証内容もしっかり確認し、安心して任せられる業者を選びましょう。

まとめ:給湯器エラーコード「113」原因と対処方法

エラーコード「113」は、暖房側の点火ができなかったことを示すエラーであり、給湯が使えていても暖房だけ動かない状況でよく発生します。

リセットやガス復旧作業など簡単な対処方法を試すことで改善する場合もありますが、繰り返す場合は点火部・ガス弁・基板などの重大な故障が疑われます。

特に10年以上使用している給湯器の場合、修理より交換が結果的に安く済むことも多いため、早めに専門業者に点検を依頼することが重要です。

暖房が使えないと冬場の生活が大きく不便になるため、「113」エラーは放置せず、確実な点検・修理を行いましょう。

エラー「113」が表示された給湯器の交換は、ぜひ給湯器交換のユプロにお任せください。

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お湯が出ない、暖房が止まる、お湯がぬるいなど、給湯器のトラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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