給湯器のエラーコード「173」について
原因と対処方法

給湯器エラーコード「173」原因と対処方法、修理交換の判断・費用の目安

給湯器のエラーコード「173」は、暖房機能付き給湯器において、暖房回路の循環水(不凍液)の減少、または循環水の漏れに相当する異常を検知した時に表示される警告です。

このエラーを無視すると、床暖房や浴室乾燥機などが使えなくなるだけでなく、給湯器自体の故障、建物の構造部へのダメージに発展するリスクがございます。

この記事では、給湯器エラー「173」の詳細、具体的な症状、考えられる原因、ユーザーができる応急処置、そしてプロによる修理・交換が必要な判断基準などを詳しくご紹介しています。

この記事でわかること

  1. 給湯器のエラーコード「173」の意味
  2. 主な症状
  3. 原因と対処方法
  4. 修理、交換が必要な状況について

給湯器のエラーコード「173」とは

給湯器のエラーコード「173」は、暖房回路を循環している水(不凍液)がわずかに減少した際や、不凍液の漏れに相当する異常を検知した際に表示される警告です。

循環水(不凍液)の減少が検知されると、給湯器は「配管・床暖房マット・ユニットなどで漏水が発生している可能性が高い」と判断します。そのため安全確保のために暖房運転を自動的に停止し、床暖房や浴室暖房乾燥機が使用できなくなります。

この状態を放置すると、建物内部への水漏れや階下への漏水といったトラブルにつながるほか、給湯器本体の深刻な故障を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

なお、エラー「173」は床暖房や浴室暖房乾燥機、温水パネルヒーターなどの暖房機能を備えた給湯器特有のエラーであり、暖房機能のない給湯器では表示されません。

エラーコード「173」主な症状

エラー「173」の典型的な症状は、暖房系統まわりだけ挙動がおかしくなることです。

具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 床暖房や浴室暖房が作動しない、すぐ停止する
  • 給湯(シャワー・蛇口など)は問題なく使える
  • 暖房機能だけが使えない状態になる

また、暖房運転を開始した直後に止まる、久しぶりに暖房機能を使ったらエラーが出た、といったタイミングで発生することが多くみられます。

給湯器のエラーコード「173」主な原因

暖房配管・床暖房マットからの漏水

エラー「173」発生原因として特に多いのが、床暖房配管や床暖房マット、浴室暖房機内部での微量な漏水です。

床下やスラブ内の配管にピンホールが開いたり、接続部の劣化によって循環水が少しずつ減少することで発生します。

循環水は極小の穴から漏れることがあり、目視で水漏れが見つからなくても漏れがある場合は、給湯器が水量変化を検知しエラーを出します。

漏水の多くは長期使用による経年劣化が原因ですが、まれに暖房給湯器を設置する際の施工ミスによって起こることもあります。

給湯暖房機本体内部での漏水

給湯暖房機本体内部の暖房用熱交換器や配管接続部が腐食したり、パッキンが劣化したことで水が滲み出し、エラー「173」が発生することもあります。

本体下部に白い水垢跡や錆筋が見られる場合は、本体内部での漏水が疑われます。

この状態が続くと故障が進行する可能性が高いため注意が必要です。

配管内への空気混入(誤検知)

長期間にわたって暖房機能を使用していなかった場合や、給湯暖房機の設置直後・水抜き後などでは、暖房配管内に空気が残り、一時的に循環水が不足していると誤検知され、エラー「173」が表示されることがあります。

また、設置から約1か月以内の機器では、配管内に残留した空気が原因でエラーが出るケースもございます。

エラー「173」自分でできる対処方法・応急処置

給湯器のエラー「173」は、メーカーや業者が対応すべき範囲のトラブルです。

配管の漏水が原因のエラーですが、配管は屋外だけでなく、床下や壁内など屋内を通っているため原因箇所の特定は難しいと言えます。

安全面の観点から、給湯器内部の分解や補水などの作業は一般家庭で行ってはいけません。

ご自身で対処する場合は、あくまで確認とリセット操作までに留めましょう。

本体・周囲の目視確認

不凍液の漏水は、不審な水跡やシミ、濡れが見られる場所の周辺で発生している可能性があります。

エラー「173」の解消には、漏水箇所の特定が重要です。

メーカーや修理業者に相談する際、あらかじめ漏水の疑いがある箇所を伝えると、修理がスムーズに進みやすくなります。

具体的には、給湯器本体の下部や配管の接続部分に濡れや錆、白い水垢の跡がないかを確認しましょう。

あわせて、床暖房を設置している部屋の床や、浴室天井・点検口の周辺にシミや湿りがないかもチェックしてみてください。

リセット(再起動)を行う

一時的なエア噛みでエラー「173」が起きた場合は、リセット操作でエラーが解消される可能性が高いです。

特に、浴室乾燥や床暖房など温水暖房を長期間使用しなかった、給湯器を設置してまだ間もない、水抜きを行った後などでは、暖房用の配管内に空気が残って一時的に不凍液が不足したと誤検知されることがあるため、リセットでの改善が期待できます。

リモコンでリセットする場合は、まずご自宅内すべての給湯や暖房の運転を止め、リモコンの運転をオフにします。そのまま10~60秒ほど待ってから、再度リモコンをオンにしてください。

本体側でリセットする場合は、家中の給湯と暖房を止めたうえで、リモコンをオフにして、給湯器暖房機本体の電源プラグをコンセントから抜きます。10~60秒程度待機した後、電源プラグを差し直し、リモコンをオンにしてください。

リセット後は、エラーが消えているかを確認するとともに、給湯や追い焚きが正常に行えるか、浴室乾燥や床暖房など暖房機の運転に問題が無いかなど、動作状況を必ず確認しましょう。

繰り返し操作しない

エラー「173」が表示されている状態で何度も暖房運転を入れ直すと、実際に漏水が起きている場合には機器に余計な負荷がかかり、被害が拡大する恐れがあります。

屋内での漏水が進行すると、床や壁の腐食・変形、カビの発生、断熱材が水を含むといった二次被害につながる可能性もあります。

特にマンションでは、階下への漏水による賠償トラブルや、高額な原状回復費用の発生も懸念されます。

暖房の入れ直しやリセット操作を行ってもエラーが改善しない場合は、無理に使用を続けず、速やかに使用を中止するようにしましょう。

エラー「173」修理・交換について

次のような場合は、早急に専門業者へ点検を依頼すべき状態です。

  • リセットしてもすぐ「173」が再表示される
  • 給湯器周辺や床・天井に水跡やシミがある
  • 暖房回路の圧力が徐々に下がっている
  • 給湯器の使用年数が10年以上経過している

エラー「173」は、給湯側が使えるため軽視されがちですが、暖房回路では異常が進行している可能性が高いです。

無視して無理に使い続けると、住宅へのダメージにつながるリスクがあるため、放置は避けるべき状況です。

自分でできる対処方法で改善しない場合は、早急に業者に相談することをおすすめします。

修理・交換の判断基準

エラー「173」が発生した給湯器を修理するか、交換するかは、故障の範囲と給湯器の使用年数が大きな判断基準となります。

部分的な不具合であれば修理対応が可能な場合もありますが、経年劣化が進んでいる場合は交換を検討したほうが結果的に安心・安全につながります。

修理がおすすめの状況

ごく小さな穴による軽微な漏水や、配管の接続部の緩み、パッキンの劣化などが原因の場合は、修理によって改善できる可能性があります。

給湯器本体内部や床暖房マット、床暖房・浴室乾燥機用の暖房配管などから、漏水箇所を特定して補修・部品交換を行うことで、水漏れの改善が期待できます。

また、給湯器の使用期間が購入から3年程度と短い場合は、メーカー保証によって無償修理を受けられる可能性があります。

施工不良が原因と考えられる場合は、施工業者の保証が適用されることもあるため、一度問い合わせて確認してみるとよいでしょう。

交換すべき状況

給湯器の使用年数が10年以上の場合は、修理よりも本体交換を選択することをおすすめします。

給湯器や暖房機は製造から10年を超えると修理部品の供給が終了することが多く、修理ができなかったり、費用が高額になったり、部品の入手に時間がかかる恐れがあります。

また、各メーカーは給湯器・暖房給湯器の標準使用期間を10年と定めており、安全性の観点からも10年を目安にした買い替えが推奨されています。

エラー「173」が出ている状態であれば、交換を前向きに検討するタイミングと言えるでしょう。

エラー「173」の放置は危険!

エラー「173」を放置したまま使用を続けると、漏水が長期間にわたって進行し、床材や建具の損傷、階下への漏水など、給湯器の故障にとどまらない二次被害を引き起こす恐れがあります。

被害が拡大すると、床や天井を剥がすような大掛かりな工事が必要になったり、場合によっては慰謝料を含む損害賠償が発生する可能性も否定できません。

エラー「173」に気付いた時点で「まだ使えるから大丈夫」と様子を見るのは非常に危険です。

早めに点検・修理、もしくは交換を行うことで、被害と費用を最小限に抑えることにつながります。

エラー「173」修理費用の目安

エラー「173」は、機器本体内部や床暖房マット、浴室暖房などの暖房配管で漏れが発生しているケースが多く、内容によって修理費用は大きく異なります。

リンナイの場合、修理費用の目安は11,000円~33,000円程度ですが、実際の金額はスタッフの現地診断後に案内されます。

訪問した時点で、修理を行わなくても出張費や故障診断料が発生するほか、設置状況や作業内容によって追加費用がかかることがあります。

また、給湯暖房機を設置して約1か月以内にエラー「173」が表示された場合は、暖房配管に空気が残っていることが原因の可能性があります。

この場合は、まず施工を行った販売店や工務店などに修理を依頼しましょう。

交換費用の目安

エラー「173」で給湯器本体を交換する場合の費用目安は、床暖房などの暖房機能に対応したタイプの場合で、工事費込みおおよそ20万~35万円前後が相場となります。

一般的な床暖房対応の給湯暖房機(給湯・追い焚き・暖房対応)では、本体・リモコン・標準工事費を含めて、約20万~35万円が目安です。

号数や仕様による費用イメージとして、24号クラスの場合、従来型の暖房熱源機であれば約20万~28万円程度、高効率タイプのエコジョーズ暖房熱源機では、本体価格がやや高くなるため約25万~35万円程度となります。

高所設置や配管の延長、暖房系統の増設などが必要な場合は、追加工事費として数万円程度上乗せされることがあるためご注意ください。

参考として、暖房機能のない追い焚き付きガス給湯器(オート・フルオート)の交換費用は、約10万~22万円が一般的です。

床暖房などの暖房機能が付くことで、そこから数万円~10万円以上高くなり、20万~35万円の価格帯に入ると考えると分かりやすいでしょう。

まとめ:エラー「173」は早期対応が重要

給湯器のエラーコード「173」は、暖房回路の漏水、またはそれに近い異常を検知した重要な警告エラーです。

リセットで一時的に消えることもありますが、繰り返す場合は本体・配管いずれかで実際に漏水が起きている可能性が高く、早期の専門点検が必須レベルのエラーと言えます。

床暖房や浴室暖房が使えないだけでなく、建物への影響も考えられるため、早めにメーカーや給湯器専門業者へ点検を依頼することが安心・安全な対応といえるでしょう。

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