給湯器の選び方
号数・エコジョーズ・オートフルオート違いなど

給湯器の選び方

毎日の生活に必要なお湯を作り続ける給湯器ですが、その機能や給湯能力は様々です。

給湯器の寿命は10年程ですので、急な故障で買い替えた後に「この性能が欲しかった」、「この機能は必要なかった」・・・と後悔しないように選んでおきたいものです。

今使っている給湯器がどういうタイプかを知り、要点を抑えて間違いのない給湯器選びをしましょう。

現在と同じ給湯器を選ぶ

給湯器は建物の種類や設置場所の状態、燃料や能力などによって使用できる機種が限定される場合が多いため、基本的には現在使用されている給湯器と同じ設置タイプ・同じ機能の製品から交換機種を選定します。

そのため、現在お使いの給湯器の機能・能力などに問題がなければ、同じメーカーの後継品か、他メーカーの同等品を選ぶのが、給湯器の交換機種の選び方の中でもっとも簡単かつ正確な方法となります。

後継品または同等品を選ぶことで今までと使い勝手が変わらず、部品の追加や加工などが発生しにくいため工事費用も最低限に抑えることができる可能性が高いです。

型番で給湯器の能力を判断できる

同等機種を調べるためには、まず現在の給湯器の能力・設置タイプなどの情報を調べる必要がありますが、「型番」が分かればすぐに判断することができます。

型番にはメーカーや設置タイプ、号数や搭載機能など様々な情報が記載されています。

型番が判明していれば、現行品はもちろん、廃番となった機種や事業を撤退したメーカーの給湯器の場合でも、交換可能な最新機種をお調べすることができるのです。

型番の調べ方

給湯器の型番は、給湯器本体の銘板シールに記載されています。

屋外に設置された給湯器で銘板シールが風化している場合は、取り扱い説明書から型番をご確認ください。

型番は、機種によっては「型式」と表記されています。

また、OEM品の場合は型番・型式が2つ掲載されていることもございます。

給湯器の型番は本体のシールに記載されています

メーカー別 給湯器の頭文字の例

ノーリツ:GT、GTH、GQリンナイ:RUF、RUFH、RUF
パロマ:PH、DH、FHガスター:OURB、SR、UER
東京ガス:AT、FT、NR大阪ガス:131、133、44

ガスの種類を確認

給湯器の銘板シールにガスの種類が記載されている

ガス給湯器は、都市ガスまたはプロパンガスを燃料にお湯を沸かします。

それぞれのガス種に対応した機種でないと使用することができないため、まずはガスの種類をチェックしてみましょう。

現在お使いの給湯器に貼られたシールに、ガス種が記載されています。

都市ガス

銘板シールの記載:都市ガスの場合

給湯器に貼られたシールに「12A」または「13A」と記載されている場合、都市ガスを使用しています。

地下の配管を通してガスが供給されていますので、自宅にボンベはありません。

プロパンガス(LPガス)

銘板シールの記載:プロパンガス(LP)の場合

給湯器に貼られたシールに「LPG」または「LPガス用」と記載されていたら、プロパンガス(LPガス)を使用しています。

ご自宅の敷地内に設置されたガスボンベから直接ガスを使用しますが、集合住宅などでは1か所にボンベをまとめて各家庭に供給している場合もあります。

設置タイプを選ぶ

給湯器の設置タイプは特別な場合を除いて、基本的に変更することがありません。

そのため、現在の設置タイプと同じ種類から交換機種を選定します。

給湯器の設置タイプは、戸建ての場合は壁掛型か据置型、集合住宅の場合は壁掛型またはPS設置型のどちらかが使用されていることが多いです。

以下の図を参考に、お使いの給湯器がどの設置タイプなのかご確認ください。

屋外設置タイプ

壁掛型

壁掛型の給湯器

外壁に直接固定して設置します。戸建ての屋外や、マンションなど集合住宅ではベランダに設置されます。給湯器と浴室が離れていても使用することができる設置フリー型で、浴槽の穴は1つだけです。

本体の下から配管が伸びており、オプションの配管カバーは取り付けることでむき出しの配管を隠して美観を保つことができるため、集合住宅の管理規約によってはカバー必須の場合があります。壁掛型は据置台とセットで設置すると据置型としての使用も可能です。暖房機能付き給湯器の壁掛型は重量があるため、据置台とセットで設置します。

据置型

据置型の給湯器

地面やブロックに設置するタイプで、本体の側面から配管が伸びています。設置フリー型と隣接設置型があります。

設置フリー型は、浴槽の穴は1つでお風呂と給湯器が離れていても使用できます。

隣接設置型は、本体から浴槽に向かって配管が2本伸びており、浴槽の穴も2つあります。浴室のすぐ近くに設置されます。

最近では設置フリー型の給湯器が主流となっていて、専用の部品を使用することで隣接設置型から設置フリー型への交換が可能です。

PS設置タイプ

マンションやアパートなど集合住宅で主に用いられる設置方法で、玄関横のPSと呼ばれる専用スペースに給湯器を取り付けます。PSとはパイプスペースもしくはパイプシャフトの略称です。

PS標準設置の場合は扉が無く、給湯器本体を外から見ることができます。

PS扉内設置と呼ばれる場合は、扉に開けられた円筒形の穴や本体の上方や後方から伸びるパイプから給排気を行います。

PS設置の給湯器

屋内設置タイプ

屋内の壁に取り付けるタイプの給湯器で、寒冷地や屋外に設置できない場合、オフィスや店舗などで取り付けられます。

FF式とFE式があり両者とも排気は強制的に屋外に出しますが、給気方法が異なります。

FF式(強制給排気式)は屋外の空気を給気し燃焼し、FE式(強制排気式)は屋内の空気を使って燃焼させます。

屋内設置の給湯器

浴室設置タイプ

浴室内に設置するタイプの給湯器は浴槽内に張った水を循環させて沸かします。シャワーが使えるタイプもありますが、キッチンや洗面所などへお湯を送ることはできません。

バランス式風呂釜は団地やアパートを中心に普及しましたが、浴槽と並べて設置するため小さな浴槽しか置けず現在は衰退傾向にあります。

バランス釜からの交換では、壁の中に給湯器を設置して専用の広い浴槽を設置できる壁貫通式ふろ給湯器への取り替えがよく選ばれています。

壁貫通式の給湯器はホールインワン・壁ピタ・バスイングなどメーカーにより名称が異なります。

浴室設置の給湯器

戸建て用の給湯器の詳細を見る
マンション用の給湯器の詳細を見る

号数(給湯能力)を選ぶ

お湯を作る能力を表す「号数」とは

給湯器の号数は、「1分間で水温+25℃のお湯を何リットル供給できるか」を示しています。

一般家庭用の給湯器は16号・20号・24号の3種類で、号数の数字が高いほど給湯能力が上がります。

号数の選び方

簡単な基準として、号数選びは1人暮らしなら16号、2~3人なら20号、4人以上のご家庭なら24号がおすすめとなります。

ですが、単身世帯でもで冬に水圧の高いシャワーを思い切り楽しみたい、2人暮らしでシャワーと平行して洗面所やキッチンなど複数個所でお湯を使用する必要がある、同居人数が多くても同時給湯の機会が少なくお風呂はシャワーがメインであるなどであれば、必ずしも基準の号数が当てはまるとは限りません。

適切な号数は人数とライフスタイルを考慮して選ぶ必要がありますので、お悩みでしたらお気軽にご相談ください。

号数の確認方法

給湯器の号数は、型番に記載された最初の数字2桁で表されています。

例えば、ノーリツのGT-2470AW BLなら最初の数字が24なので24号、リンナイのRUF-A2005AW(C)なら20号と判断することができます。

給湯器の号数の詳細を見る

ガス給湯器の種類を選ぶ

給湯専用の給湯器

給湯専用給湯器の機能

一番シンプルなタイプの給湯器で、お風呂やシャワー、キッチンなどのお湯を作ることができます。

給湯専用の給湯器には追い焚きの機能は搭載されていません。

「オートストップなし」の場合はお風呂にお湯を溜めた後、手動で蛇口を閉めてお湯を止めます。

「オートストップあり」または「高温水供給式」の場合、設定された温度と湯量で浴槽のお湯はりをしますので、お湯を止め忘れて溢れさせる心配がありません。

高温水供給式は、約80℃ある高温のお湯を新たに追加(差し湯)することができるため、追い焚き感覚で浴槽内のお湯の温度調整ができます。

給湯専用給湯器の詳細を見る

ガスふろ給湯器

ガスふろ給湯器の機能

基本の給湯や自動湯はり機能に加え、追い焚きができる給湯器です。

追い焚き付きの給湯器を選択する場合、「オート」または「フルオート」から機能を選択します。

オートは、追い焚きを行う際にリモコン操作が必要です。

フルオートの場合は浴槽内の湯温を検知して自動で追い焚きを行います。また、水位も検知しており足し湯も自動、配管の洗浄機能なども搭載されています。

ガスふろ給湯器の詳細を見る

ガス給湯暖房熱源機

ガス給湯暖房熱源機の機能

給湯暖房熱源機はTES熱源機とも呼ばれており、ガスふろ給湯器の能力(給湯・湯はり・追い焚き)に加え、暖房用のお湯をつくる機能も搭載された多機能タイプの給湯器です。

温水式床下暖房や浴室暖房乾燥機のほか、ミストサウナや食器洗い乾燥機といった設備に熱源となるお湯をつくって循環させることができます。

近年は給湯・湯はり・追い焚き・暖房が1台でできる製品が主流となっていますが、築年数の古いマンションなどでは追い焚きのない給湯専用に暖房機能が付いた製品が設置されていることも多いです。

また、熱源機専用機器もあり、給湯器と分けて設置されている場合もございます。

給湯暖房熱源機の詳細を見る

オート・フルオートを選ぶ

ふろ給湯器、給湯暖房熱源機など追い焚きができる給湯器を使用する場合は、オートとフルオートの2種類から機能を選択します。

オートとフルオートは、お湯はりや追い焚き保温の機能が異なるほか、フルオートにのみ搭載されている機能があるなど複数の違いがあるため、ライフスタイルに合わせて選ぶ必要があります。

給湯器を交換する際に、オートからフルオートまたはその逆への変更は、特別な作業や工事が不要で自由に変更することができます。

オートとフルオート 機能の比較表
  お湯はり 自動保温 たし湯 追い焚き 配管洗浄
オート
※設定湯量

※一定時間毎
手動 ×
フルオート
※設定水位

※入浴検知
自動

オートとは

オートタイプの給湯器の機能

お湯はりと追い焚き保温は自動で行われますが、足し湯は手動でリモコンを操作する必要があります。

水位検知機能が無いので、前日の残り湯がある状態でお風呂を沸かすと湯量がばらつきます。

フルオートとは

フルオートタイプの給湯器の機能

お湯はりと追い焚き保温、足し湯と追い焚き配管の洗浄が自動で行われます。

水位・湯温を検知

水位を検知するので足し湯や残り湯を沸かした時にお湯が溢れません。

運転中に水位が設定より4㎝以上下がると自動で足し湯。

人の入浴を検知してお湯が冷めたらすぐに追い焚きを行うので、冷えた体や2番目以降の入浴でも素早く快適な温度までお湯を沸き上げます。

配管の自動洗浄

追い焚きは浴槽内のお湯を循環して再度温めるので、入浴剤や髪の毛、皮脂や水垢などの汚れも配管内を通ってしまいます。

フルオートなら残り湯を排水する際に追い焚き配管内に約5リットルの新しいお湯が流れて自動的に洗浄。

洗浄機能無しと比較して一般細菌が3分の1まで減少します。

オートとフルオート、どちらがおすすめ?

初期費用・水道代・ガス代を抑えるならオート

オートは追い焚き給湯器としての機能が必要最低限ですので、フルオートよりも本体価格が安く、初期費用を抑えることができます。

足し湯は手動のボタン操作が必要ですが、好きなタイミングで行うことができます。

フルオートは水位を検知して自動的に足し湯を行うため、使用状況によってはオートよりも水道代とガス代が上がる可能性があります。

家族人数が多い・長風呂が好き・衛生面を気にするならフルオート

フルオートは水位検知センサーによって浴槽内の湯量をチェックします。

水位が下がると自動的に足し湯を行うため、いつでも快適に入浴できる湯量を保つことができます。

長湯がお好きな方や大人数のご家庭でもストレスなく快適な入浴が楽しめます。

また、追い焚き配管クリーン機能がありますので「清潔なお湯のお風呂に入りたい・お子様がいるので衛生面が気になる」といった方におすすめです。

オート・フルオートの詳しい違いを見る

従来型かエコジョーズを選ぶ

ガス給湯暖房熱源機の機能

ガス給湯器には従来型と、エコジョーズがあります。

エコジョーズは従来型よりも少ないガス量で効率的にお湯を沸かすことができる、省エネタイプのガス給湯器です。

エコジョーズとは

従来型の給湯器は熱効率が約80%で、燃焼後には約200℃の排気ガスが排出されています。

エコジョーズは熱交換器が2つ搭載されており、本来大気中に捨てられるはずの排気熱を回収、熱源として再利用することで熱効率が約95%まで上昇しました。

エネルギーの無駄を減らして効率的にお湯を作ることで、ガスの消費量を約15%カット。

ガス代の節約効果が得られるほか、二酸化炭素の排出量も15%削減されるため環境にも優しい給湯器です。

エコジョーズのメリット

エコジョーズは給湯にかかるガス代や電気代といった光熱費を節約する効果があります。

省エネ性が高いため、従来型の給湯器に比べるとお湯を沸かす際に必要となるガスの量が少なく、待機時の消費電力も低いです。

ガスの使用量が多いほど節約効果が高くなるため、毎日湯船につかっている・家族人数が多いなど、お湯をたくさん使う場合は特にエコジョーズの恩恵を得られやすいです。

エコジョーズのデメリット

エコジョーズは従来型よりも本体代と工事費が高く、初期導入費用がかかります。

単身世帯などお湯の使用量が少ない場合は節約効果が得られにくいため、従来型の給湯器に交換した方がお得な場合があります。

熱を再利用する過程でドレン水と呼ばれる結露水が発生するため、処理用の配管を別途設置する工事が必要です。

エコジョーズについて

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