毎日の生活に必要なお湯を作り続けている給湯器ですが、消耗品なので経年劣化による故障や不具合がおきると交換が必要となります。
ガスや火を使う機器のため長く使えるように設計されているので、何の予兆もなく急にお湯が出なくなったというトラブルも少なくありません。
長期間にわたる無理な使用は危険ですので、交換時期を把握し、不調の症状を見逃さずに適切なタイミングで修理やメンテナンスを行ったり買い替えるようにしましょう。
この記事でわかること
- 給湯器の耐用年数
- 故障の前ぶれ・前兆
- 給湯器が故障したら、修理と交換のどちらが良いか
- 給湯器を長持ちさせる方法
給湯器の寿命について
給湯器の耐用年数は一般的に10年と言われます。
使用状態や環境によっては8年程度で故障したり、反対に15年近く使える場合もありますが、10年と言われる理由はメーカーが安全に使えると設定した期間かつ修理部品を保持している年数だからです。
寿命には使用頻度が深く関わっており、よくお湯を使うご家庭ほど故障しやすくなります。
複雑な構造だと消耗が激しくなるので、給湯専用と比べると追い焚き付きや床暖房対応などの給湯器は短命です。
しかし家庭用の給湯器を業務用として使う・16号を大人数の家庭で使用するなど、よほど無理な使い方をしていない限り8~10年は問題なく使用できます。
給湯器の故障・寿命のサイン
古い給湯器は熱交換器の水漏れや電装基盤のショートなどが原因で寿命を迎えます。
「まだお湯が出るから」と、調子が悪くなった給湯器を無理に使用することは大変危険です。
給湯器は精密機器ですので、安全面に配慮された設計ですが、稀に漏電・ガス漏洩・一酸化炭素中毒などの事故に繋がる恐れがあります。
特に「気温が低い・湿度が高い」時期は給湯器の不具合が増える為、注意が必要です。
冬は冷たい水道水を急激に熱するので、配管や機器に負担がかかり、梅雨の時期は湿気により基盤がショートしやすくなります。
兆候がなくとも長年使用した機器ですと、突如として給湯器が正常に動作しなくなる場合もありますので、耐用年数に合わせて早めの点検を行い、必要があれば修理交換するようにしましょう。
以下の症状に1つでも該当する場合は交換時期となります。
お使いの給湯器に、こんな症状はありませんか?
- お湯の温度が不安定、ぬるいお湯か水しかでてこない
- お風呂の追い焚きができなくなった
- シャワーや蛇口から出るお湯の勢いが弱くなった
- 給湯器本体から水漏れ、機器が錆びたり穴が開いている
- 黒い煙やススが給湯器本体や排気口から出ている
- お湯を沸かすと変なニオイがしたり目がチカチカする
- 給湯器本体がガタガタ振動する、小さな爆発音が聞こえる
- 焦げ臭い・ガス臭いニオイがする
リモコン操作に問題はありませんか?
- リモコン操作ができず、温度設定や調節ができない
- 何度も繰り返しエラーコードが表示されるようになった
修理と交換はどちらが良い?
8年以上使用した給湯器が故障した場合は、思い切って交換した方が安く済むケースが殆どです。
長年使用した給湯器は修理してもすぐに別の箇所の調子が悪くなる可能性が高く、2度3度とメンテナンスを繰り返すと修理費用がかさんで高額になるだけでなく耐用年数である10年がすぐ訪れるので結局交換が必要になるからです。
また、10年目以降はメーカーが部品を保有しておらず、部品の入手が困難となりますので修理不可となります。
給湯器をなるべく長持ちさせるには
本体や排気口の周りは囲わない
ガス機器は空気を燃焼させてお湯を作ります。
給排気口の周りに物を置いたり目隠しなどで空気の流れを遮ってしまうと、不完全燃焼による一酸化炭素中毒や火災を起こす可能性があります。
外壁や地面に取り付けられた給湯器は屋外に設置するように設計されていますので、雨風などを防ぐ屋根や囲いは必要ありません。
給排気口にゴミやホコリ、雪などが溜まっていた場合は取り除いて簡単な清掃を行ってください。
凍結を防止する
凍結をおこすと配管が膨張して破裂する可能性があります。
特に機器内部の配管に亀裂が入った場合は修理費用が高額になるので注意と対策が必要です。
冬場の夜や、旅行などで長期間給湯器を使わない場合には配管内に残った水を抜くようにしてください。
凍結防止機能がありますので、夜中でも電源を抜かないようにすることも大切です。
寝る前に少量の水を流す、配管に凍結防止用の断熱材や配管用ヒーターの取り付けるなどの対策もおすすめです。
配管の劣化を防ぐ
水を使う時は水側の水栓を使うようにしましょう。
給湯器内部の配管の錆や腐食も寿命に深く関係しています。
給湯器の電源が入っていない状態でお湯側の水栓を開くと、お湯用の配管の中を冷たい水が通ります。
その後お湯を使うと、冷えた金属と熱いお湯の温度差で配管の表面に結露がおきて錆びが生じやすくなるのです。