
給湯器は、日々の生活に欠かせない設備ですが、使用年数が経過するにつれて不具合や故障が発生することがあります。
その際に重要なのが、壊れる前兆を見逃さないことです。
壊れる前兆を早めに察知することで、突然お湯が使えなくなる事態を回避し、適切な交換や修理のタイミングを見極めることができます。
本記事では、給湯器が壊れる前兆となる具体的なサインや対処法、交換の適切なタイミングについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 給湯器が壊れる前に現れる症状
- 故障の前兆の対処方法
- 故障前の症状を放置するリスク
- 給湯器の交換が必要なタイミング
給湯器が壊れる前兆とは?
給湯器が壊れる前には、いくつかの特徴的なサインが現れることがあります。
例として、お湯の温度や量が不安定になる、給湯器から異音や異臭がする、リモコンにエラーコードが頻繁に表示される、追い焚きやお湯はりができないなど。
これらの壊れる前兆を見逃すと、最終的にはお湯が出なくなる、給湯器が動かなくなるといったトラブルに発展する可能性があります。
故障のサインを早期に察知し適切に対処することで、事前に修理や交換などの対策が取りやすくなり、突然の故障を予防することに繋がるのです。
給湯器が壊れる前兆となる具体的なサイン
ここでは、給湯器が壊れる前兆として現れる、10種類の症状について解説します。
お湯の温度が不安定になる
お湯の温度が安定しない症状は、給湯器が壊れる前兆の中でも発生頻度が高いトラブルのひとつです。
給湯器が正常に動作している場合、お湯の温度はリモコンで設定した温度に合わせて一定に保たれます。
お湯の温度が設定温度と異なったり、シャワーを浴びている途中で急に冷たくなったり熱くなったりする場合は、給湯器の温度センサーや制御回路に問題が発生している可能性が高いです。
そのほか、水量サーボの異常や点火不良、高温検知によるヒューズの断線など、さまざまな原因が考えられます。
お湯の温度が不安定になった場合は故障が近いため、早急に修理や交換などの対応をとるようにしましょう。
お湯の量が安定しない
給湯器の湯量が安定しない症状は、故障の前兆である可能性が高いです。
お湯を出している最中に、お湯の量が急に減ったり出が悪くなったりするなど、一定量の供給ができなくなるといった症状がある場合は、給湯器に不具合が起きていることが疑われます。
原因としては、給湯ポンプやバルブの故障、配管の詰まりや凍結などが考えられます。
また、湯量が不安定になる症状がある場合、給湯器の不具合ではなく混合水栓・蛇口が故障している可能性もありますので、原因の見極めが重要です。
お湯が出なくなることがある
お湯が突然出なくなったり途中で止まる、以前よりお湯が出るまで時間がかかるようになったなどの現象も、給湯器が壊れる前兆としてよく見られる症状です。
この場合、ガス供給や水圧の問題だけでなく、給湯器自体の内部トラブルや故障が原因として疑われます。
一度お湯を止めて出し直すことで、通常通りお湯が使えるようになることもありますが、近いうちに給湯器が完全に故障する可能性が非常に高いため、早めに交換しておくことをおすすめします。
追い焚きができない
お風呂の追い焚き機能ができない、すぐに止まる現象も、給湯器が壊れるサインとしてしばし見られる症状です。
原因は、循環ポンプの故障、湯量や水位を検知するセンサーの異常、配管の破損、電気系統のトラブルなどさまざまです。
ただし、追い焚きができない症状は、循環フィルターの目詰まりや追い焚き配管の詰まり、残り湯の量が不足しているなど使用状況が問題となっているケースも原因として考えられます。
循環フィルターや追い焚き配管は定期的に清掃し、浴槽内の残り湯の量は循環金具の上になるように調節してみましょう。
掃除や湯量の調節などで症状が改善しない場合は、給湯器が不具合を起こして故障する可能性が高いため、修理・交換・メンテナンスなどの対応をおすすめします。
異音がする
給湯器が故障に近づくと、通常は聞こえない異常な音が発生することがあります。
例えば、バーナーが点火する際に異常な爆発音がしたり、内部のファンが異音を立てたりするケースです。
普段よりも給湯器の運転音が大きい場合や、異常な音が聞こえる場合では、内部部品の劣化や摩耗、汚れが原因であることが多いです。
特に注意が必要なのは、給湯器内部から「キーン」、「ボンッ・ボッ」、「ゴーッ」、「ピーッ」、「ブオーン」というような音が発生していたり、給湯器本体が異常に振動して「ガタガタ」と音が鳴っていたりする場合です。
給湯器の異音は、ファンモーターの故障や異常、給湯器の配管内部に異物が侵入した、給排気口の詰まり、配管の水漏れ、不完全燃焼やガス漏れ、異常燃焼などさまざまな原因が考えられます。
給湯器の異音を放置すると、一酸化炭素中毒、ガス漏れや漏電による火災や爆発など、危険な事故を引き起こす可能性もあります。
給湯器からいつもと違う異常な音が聞こえた場合は、早急に使用を中止して業者に修理や交換、メンテナンスを依頼するようにしましょう。
異臭がする(ガス臭・コゲ臭いなど)
給湯器に近づくと、ガス臭や焦げたような臭いがする場合、ガス漏れや不完全燃焼が起きている可能性があります。
ガス臭い・焦げ臭いなど異臭が感じられる場合は、給湯器の故障だけでなく重大な安全リスクを伴うため、使用を直ちに中止し、専門業者に点検を依頼する必要があります。
給湯器の異臭は放置すると、火災や爆発、一酸化炭素中毒など、命に関わる事故に発展する危険があるため、必ず使用を中止してください。
黒煙が出ている
給湯器の本体や排気口から黒い煙が出る場合は、内部部品の損傷や不具合によって燃焼が正常に行われていない可能性が高いです。
不完全燃焼は一酸化炭素中毒や火災・爆発事故の原因となるなど、安全上のリスクが非常に高く危険ですので、すぐに使用を中止してください。
ガスを止めて換気を行い、できるだけ早く専門業者に連絡しましょう。
もし白い煙が排気口から出ている場合は、水蒸気(湯気)ですので、基本的には問題がありません。
ただし、給湯器の使用が終わった後にも関わらず白い煙が出続けるようなら、内部部品が異常を起こしている可能性があるため、使用を中止して専門業者に相談してください。
エラーコードが表示される
リモコンにエラーコードが表示される場合、給湯器が正常に動作していないことを示しています。
エラーコードは故障の原因を特定するための重要な手がかりとなるため、取扱説明書を確認して適切に対応しましょう。
給湯器のエラーは、天候や災害の影響によるものや、自分でできる簡単な対処方法で解決できるような一時的な症状であるケースもございます。
取扱説明書に記載された対処方法を試してもエラーが消えない、頻繁にエラーコードが表示されるなど、改善しない場合は給湯器の寿命が近い可能性が高いため、修理や交換を検討するようにしましょう。
給湯器から水漏れする
給湯器の水漏れが起きる原因は、内部部品の経年劣化、拝観の凍結、施工時に部品の取り付けミスなどが考えられます。
水漏れを放置すると、周囲が水浸しになり、床が腐ったり、電気系統がショートする危険性もあるため、早急な対応が必要です。
部品の破損状況によっては、漏電による火災や不完全燃焼などに繋がる恐れもあり大変危険ですので、給湯器の使用を中止して専門業者に修理や交換を依頼するようにしましょう。
リモコンの反応が悪い
給湯器リモコンのボタンを押しても反応が悪い、操作しても反応しない場合も、故障の前兆である可能性があります。
給湯器は本体とリモコンの耐用年数は、約10年と同じであることから、単純にリモコンの問題だけでなく、給湯器自体の不具合が原因であるケースが少なくありません。
長期間使用している給湯器リモコンの調子が悪い場合には、本体ごとの交換を検討するタイミングとなることが多いです。
ただし、リモコンの電池切れであったり、ネズミなど小動物が配線をかじった、リモコンボタンを強く押して破損させたなどの場合では、リモコン単体のみ修理や交換を行う選択肢もあります。
また、無線式リモコンやスマートフォンアプリ連動リモコンでは、通信状態が一時的に悪くなるケースもございます。
通信状態の改善は、リモコンのリセットを試すか、専門業者による復旧作業などの対応が必要です。
給湯器が壊れる前兆を見つけた際の対処法
リモコンのエラーコードを確認する
給湯器のリモコンにエラーコードが表示された場合は、取扱説明書を参考にし、エラー内容に応じた対応をとってみましょう。
軽微なエラー内容であれば、リセット操作や簡単な処置、様子見などによって解消できることもあります。
エラーコードは番号ごとに異常内容や対処方法が振り分けられており、1995年(平成7年)以降、リンナイ・ノーリツ・パロマ・パーパスほか国内主要メーカー間で統一されています。
メーカーや機種によって、エラー内容や解除方法の表現が若干異なる可能性があるため、エラーコードを解除する際はご使用中の給湯器のメーカーや型番を調べ、取扱説明書に記載された内容を確認してからおこなうようにしましょう。
給湯器をリセットする
一時的なトラブルの場合、給湯器本体やリモコンを一度リセットすることで、不具合・不調の症状が解消されることがあります。
注意点として、給湯器のリセットは安全装置を強制的に解除する方法です。
リセット後も不具合の症状が続いたり、改善しないようであれば、修理やメンテナンスを受けるか、交換をご検討ください。
リセット操作は給湯器本体やリモコンで行えますが、詳しい手順は取扱説明書を確認してください。
以下で、基本のリセット操作の手順をご紹介します。
給湯器本体のリセット 基本の手順
- 給湯器の運転を停止する
- 本体の電源プラグを抜く
- 10秒程度、時間をおく
- 電源プラグを差し込む
- 電源を入れて、お湯が使えるか確認する
給湯器リモコンのリセット 基本の手順
- 給湯器の運転を停止する
- リモコンの運転ボタンを押して、電源をオフにする
- 少し時間をおいてから、電源をオンにする
- 画面からエラーコードが消えていることを確認する
- お湯が出るか確認する
異常を感じたら早めに専門業者に相談する
エラーコードの解除やリセットなどを試しても故障の前兆らしきサインが改善しない場合や、明らかに危険な症状が出ている場合は、プロによる修理や交換など専門的な対応が必要です。
異常のある給湯器を無理やり使用し続けると、日常生活に支障をきたすだけでなく、思わぬ事故やケガの原因となる恐れがあります。
特に、給湯器から黒煙が出ている、異音や異臭がする、爆発音が聞こえる、給湯器に近づくと目にしみる感じがするなどの異変が起きている場合は、大変危険な状態です。
すぐに給湯器の使用を中止して専門業者に修理や交換を依頼してください。
給湯器が壊れる前兆を放置するリスク
給湯器が壊れる前兆を見逃してしまうと、最悪の場合、突然お湯が使えなくなることがあります。
特に気温と共に水温が低下する冬場は、給湯器の故障トラブルが急増する時期であり、寒い日にお湯が使えないと日常生活に大きな支障をきたすことになるため注意が必要です。
また、給湯器の完全な故障によって重大なトラブルが発生すると、修理費用が高額になり、場合によっては交換が必要となることもあります。
ガス漏れや排気不良、漏電や火災、不完全燃焼などが原因で健康被害や事故につながるリスクもございます。
そのほか、水漏れを放置すると住宅の壁や床にダメージを与えたり、水道料金の急激な上昇につながります。
マンションやアパートでは、給湯器などの設備が故障した際、壊れていることを知りながら故意に放置して状態が悪化した場合には、修理や交換費用を請求されたり、ほかの居住者の損害費用を支払わなければならないこともあるのです。
小さな異常を放置することは、生活の快適さや安全面を損ない、周辺被害の拡大などを招くなどのデメリットがあることから、給湯器の故障は前兆を見逃さず適切なタイミングで修理や交換を行うことが大切なのです。
給湯器交換のタイミングとは
給湯器の寿命は、一般的に10年とされています。
耐用年数を超えて長期間使用している給湯器では、前兆がなく突然故障してお湯が出なくなるリスクがございます。
そのため、古い給湯器は故障の前兆が現れた際に、修理ではなく交換を検討することが推奨されます。
また、8年目以降など10年近く使った給湯器が故障した場合には、修理よりも交換がおすすめです。
給湯器は通常、交換より修理の方が費用を安く抑えられるため、使用期間が短い給湯器では修理がおすすめとなります。
ですが、古い給湯器の場合は、故障個所が複数あって修理費用が高額になる、部品の入手が難しいことがある、一部を修理しても寿命によってすぐに本体ごとの交換が必要になるなどの理由から、無理に修理するよりも交換を検討されることをおすすめいたします。
「給湯器が壊れる前兆・交換のタイミング」まとめ
給湯器は寿命が近づいたり内部部品にトラブルが起きると、故障してお湯が出なくなることがあります。
壊れる前になると、出湯量や湯温が不安定になる、水がお湯になるまで時間がかかる、追い焚きやお湯はりができない、エラーコードがリモコンに表示される、電源が入らない、異音や異臭、水漏れなど、いくつかの特徴的な症状が現れることがあります。
これらのサインに気が付いたら、給湯器が完全に故障してお湯が使えなくなってしまう前に、専門業者に修理や交換を依頼することをおすすめいたします。
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