給湯器の凍結防止ガイド
原因・予防対策・応急処置方法まとめ

給湯器の凍結防止ガイド【原因・予防対策・応急処置方法】

ご使用中の給湯器は、凍結に対する予防対策が十分に行われているでしょうか?

近年、異常気象の増加に伴い、激しい気候の変化が目立つようになりました。

急激に気温が低下すると様々なトラブルが起きますが、給湯器の凍結もそのひとつです。

寒い日に温かいお湯が使えないのは予想以上に不便であり、日常生活に支障をきたすことから、凍結する前に事前の予防対策を行うことが重要となります。

この記事では、給湯器が凍結する原因から、凍結を防ぐための具体的な対策方法、凍結した時に自分できる応急処置方法まで、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

  1. 給湯器が凍結する原因
  2. 凍結の予防・対策方法
  3. 給湯器が凍結したときの対処方法
  4. やってはいけない対処方法
  5. 利用できる保険・保証

給湯器が凍結を起こす原因

凍結は、外気温の低下が原因で発生するトラブルです。

給湯器の施工状態や設置場所の環境などが影響することで、より凍結が発生しやすい状況となる場合もあります。

外気温の低下

給湯器が凍結を起こす主な原因は、外気温の低下によるものです。

水は0℃になると氷になるため、配管内の水が0℃を下回ると凍結が発生します。

外気温がマイナス4℃以下になると、保温材を巻いていても配管内の水が0℃以下になる可能性が高く、凍結のリスクは非常に高い状況となるため注意が必要です。

また、最高気温が0℃未満の日が続く状況でも、凍結が起きやすいです。

配管の断熱不足

寒い冬に給湯器が凍結を起こす原因のひとつに、給水管や給湯管など配管の断熱不足が挙げられます。

適切な断熱処理が施されていない配管は、外気温が配管に影響しやすいことから、凍結を起こすリスクが高いのです。

配管がむき出し状態で断熱保温材が巻かれていない場合や、断熱材が劣化してボロボロになっている場合などでは、特に注意が必要となります。

凍結防止機能が稼働していない

給湯器には本体内部の凍結を防止する「凍結防止機能」が搭載されています。

もし給湯器の電源が切れていたり、故障や不具合でセンサーが正常に機能していないと、凍結防止機能が稼働しないため給湯器内部で凍結が起きる恐れがあります。

日当たりの悪い場所に給湯器が設置されている

給湯器や配管が日当たりの悪い屋外に設置されていると、凍結のリスクが高くなります。

例として、家の北側や、周辺のマンションや隣家などの影になり日が当たらない場所、風当たりが強い場所など、冷えやすい場所に給湯器が設置されているようであれば、外気温が氷点下を下回らなくても凍結を起こすことがあるため注意が必要です。

給湯器の凍結を予防する方法

給湯器の凍結予防方法は、大きく分けると5つあります。

  • 電源を切らない
  • 配管を保温する
  • 給湯栓から少しだけ水を流す
  • 水抜きする
  • 給湯器の設置場所に注意する

電源を切らない

近年販売されている給湯器には、外気温の低下を検知した際に自動的に稼働する「凍結防止機能」が標準的な安全装置として搭載されています。

電源プラグをコンセントから抜いてしまうと、凍結防止機能が機能しなくなるため、必ず給湯器本体の電源は入れたままにしておきましょう。

凍結防止機能はリモコンのオンオフに関係なく自動的に作動するため、リモコンの電源はオンオフどちらの状態でもかまいません。

なお、凍結防止機能は給湯器内部と追い焚き用配管の凍結予防には効果的ですが、外部の配管や給湯栓などの凍結防止には効果がありません。

また、外気温がマイナス15℃以下になると凍結防止機能では凍結を予防できないため、気温が極端に下がることが予想される場合は配管の保温や水抜きなど、他の凍結対策もあわせて行うことをおすすめします。

凍結防止機能:凍結予防ヒーター

凍結予防ヒーターは給湯器内部の配管が凍結するのを防止するためのヒーターで、給湯器本体に内蔵されています。

給湯器周辺の温度が低下したことを検知すると、ヒーターが自動的に運転を開始して給湯器内部を保温します。

ヒーターは外気温が0~3℃以下になると作動するように設定されていることがほとんどですが、メーカーや機種によって設定が多少異なるため、詳細は取扱説明書などでご確認ください。

凍結防止機能:自動ポンプ運転

自動ポンプ運転は、給湯器本体と浴槽をつなぐ追い焚き用の配管を凍結から守るための機能です。

外気温の低下を検知すると、給湯器内の循環ポンプが自動的に作動し、浴槽内の水を循環させて水の流れを作ります。

水は流れが無く止まった状態だと凍結しやすい性質のため、ポンプで強制的に水を動かすことによって凍結しにくい状況をつくる仕組みです。

自動ポンプ運転は気温が5℃以下になり、かつ浴槽の水が循環金具(アダプター)より5cm以上高い位置にある状態で作動します。

浴槽の水が不足していると水が循環せず、ポンプが空運転して異音が発生することがあるため、凍結の恐れがある時期は浴槽内の水の量が不足していないか確認するようにしましょう。

配管を保温する

断熱材や保温材を給湯器の配管に巻くことで、配管の凍結を予防することができます。

給湯器交換の工事内容には、給湯器本体に接続されている給水管(水道管)や給湯管などの配管に対し、断熱保温材を巻き付けて保温する作業が標準的に含まれていることがほとんどです。

もし配管に断熱材が巻かれていないのであれば、業者に依頼するか、自分で巻くことをおすすめします。

配管用の断熱保温材は市販されており、ホームセンターやネットで購入することができることから、DIYによって自分で巻くことが可能です。

テープ付きで簡単に取り付けができるワンタッチ施工タイプの断熱材も販売されていますので、DIY作業の中では難易度は低いと言えます。

より確実に配管を保温したい、見た目もキレイにしたいなどの場合は、業者へ依頼することをおすすめいたします。

断熱材は劣化するため定期的な交換を

配管の断熱材には、耐熱保温チューブやポリウレタンフォームなどが用いられています。

これらは有機素材であり、紫外線や風雨の影響を受けて劣化すると、断熱効果は低下してしまいます。

給湯器を長期間使用している場合は、配管の断熱材が破れたり剥がれたりしていないか確認し、傷んでいるなら断熱材を巻きなおすようにしましょう。

配管用の凍結予防ヒーターについて

凍結リスクが高い状況では、水道配管を専用ヒーターで保温することで強力な予防効果を得ることができます。

寒冷地にお住まいの場合や、給湯器や配管が日当たりの悪い場所に設置されている場合などでは、凍結予防として特におすすめの方法です。

水道管用の凍結防止ヒーターのおすすめは、サーモスタット付きのヒーターです。

サーモスタット付きのヒーターは、気温を検知して自動で電源のオンオフの切り替えを行います。

一定の温度以下にならないと通電されないため、コンセントを差して電源を入れっぱなしの状態でも問題なく、電源の入れ忘れによる凍結被害を防止することもできます。

暖かい地域でも、断熱処理は必要

雪があまり降らないような暖かい地域では、配管の断熱処理がきちんと施されていないことが原因となり、給湯器の凍結トラブルが起きるケースが多々見られます。

外気温が氷点下を下回ることが多い寒冷地では、凍結に対する予防や事前対策が必須であり、配管の断熱処理は標準的に行われていることから、断熱不足による凍結は意外と起きにくいのです。

対して、気候が温暖な地域では凍結対策が甘かったり、そもそも断熱材を配管に巻かれていなかったりすることが少なくありません。

近年は寒暖差が大きくなることが増えており、急激に冷え込んだタイミングで凍結を起こすリスクは地域を問わずあります。

そのため、温暖な地域においても配管の断熱処理は適切に行うべきと言えるでしょう。

給湯栓から少しだけ水を流す

給湯栓から少しだけ水を流しておくと、給湯器本体だけでなく、給水配管・給湯配管・給水元栓・給湯栓など様々な部位に対しても、凍結の予防ができます。

一般的に水は0℃で凍りますが、水が流れており動きがある状態だと凍りにくくなります。

水が流れていると冷えた水は同じ場所にとどまらず、常に新しい水が供給されることから、局所的な冷却が起こりにくく氷ができにくくなるのです。

水を出すことで凍結予防を行う手順は、以下のとおりです。

給湯栓から水を出す手順

  1. リモコンの運転をオフにする
  2. 浴槽の排水栓を閉める
  3. 給湯栓を開けて水を流す(水の太さは約4mmが目安)

注意点として、浴槽に水を溜めるため、水があふれる可能性がございます。

サーモスタット式またはワンレバータイプの混合水栓をお使いでしたら、温度設定が最高温度になるよう調節してください。

浴槽用の給湯栓が無い場合、シャワーで代用することができます。

シャワーで水を流して凍結を予防する場合、シャワーヘッドが浴槽内に水に浸からないように配置してください。

水抜きする

給湯器の水抜きは、機器内部の水を抜くことによって凍結を予防する方法です。

旅行や転居など長期的に給湯器を使用しない場合や、外気温がマイナス15℃以下となる場合などは、水抜きによる凍結予防が推奨されています。

また、長期不在にともない給湯器の電源プラグを抜いた時や、停電時など、凍結予防機能が稼働しない場合にも水抜きをしておくべきです。

給湯器の水抜きの手順・方法は、メーカーや機種によって異なりますので、水抜きを行う際はかならず取扱説明書の内容に沿って実施してください。

また、追い焚き付き給湯器の場合は、給湯側・ふろ側の順番で水を抜いてください。

以下では、基本的な手順を簡単に解説します。

水抜きの基本的な手順

  1. リモコンの運転をオフにする(※電源プラグは抜かないでください)
  2. 給湯器のガス栓と、給水元栓をしっかり閉める
  3. キッチン・浴槽・洗面所などで、給湯栓をすべて開ける(お湯の蛇口・シャワーなど)
  4. 水抜き栓を回して完全に外し、水を抜く
  5. 電源プラグを抜く

給湯器を使用した直後は機器内のお湯が高温になっているため、やけどを防ぐために十分に冷めてから作業を始めましょう。

水抜きは給湯器内部と給湯管用の凍結防止方法です。

給水管(水道管)の凍結予防は、蛇口から少しだけ水を流しておく方法が有効です。

水抜き後に給湯器を使う方法

  1. 給湯器の水抜き栓を閉める
  2. キッチン・浴槽・洗面所などで、開放していた給湯栓をすべて閉める
  3. 給水元栓を全開にする
  4. 給湯栓(蛇口)から水が出るか確認する
  5. 給湯器の電源プラグをコンセントに差す
  6. ガス栓を開ける
  7. 給湯器の電源をオンにして、お湯が出るか確認する

水抜き後に給湯器を再度使用する際の手順・方法も、メーカーや機種によって異なります。

取扱説明書に従って、正しく行うようにしましょう。

給湯器の設置場所に注意

日当たりが悪い場所や風当たりが強い場所など、温度が下がりやすい場所に給湯器や水道管が設置されていると、凍結が起きやすくなります。

給湯器の設置場所として理想的なのは、日当たりが良く、湿度がこもりにくく、給気口と排気口の前に十分なスペースがある場所です。

家を建てる前など設計段階で調節ができる場合は、できるだけ日当たりが良い場所に給湯器を設置することで、事前の凍結予防・対策となります。

既存住宅で給湯器や水道配管が凍結を繰り返す場合には、機器の移設が対処方法として有効です。

ガス給湯器の移設を行う場合、ガス管の延長や短縮、位置調節が必要ですので、有資格者による対応が必要となります。

無資格者によるDIY作業は禁止されていますので、移設工事の実績がある専門業者などに依頼するようにしましょう。

給湯器が凍結すると、どんな被害が出るか

給湯器が凍結してしまうと、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。

よくある被害内容は、以下の4つが挙げられます。

  • お湯が出なくなる
  • 配管の破裂
  • 水漏れ
  • 給湯器本体の故障

水道管や給湯管で凍結が起きると、配管内で氷が詰まった状態となり、水やお湯が流れなくなります。

ただ凍っただけなら氷が解凍することで再度お湯が使えるようになりますが、膨張した氷によって強い圧力を受けた配管が破裂することもあります。

もし配管が損傷して破裂した・亀裂が入った場合、解凍後に水漏れが発生する可能性が非常に高いです。

また、給湯器内部の配管が破裂した、水漏れの水滴が部品などにかかった、漏電したなどの状況になると、給湯器が故障して正常に機能しなくなる恐れもあります。

給湯器が故障すると修理や交換などの対応が必要ですが、工事が終わるまでは、お湯が使用できません。

このように、給湯器が凍結を起こすと長期間にわたって日常生活に大きな支障をきたすこともあるため、事前に予防・対策しておくことが大切です。

給湯器が凍結を起こしやすい部分

給湯器が凍結を起こしやすいのは、配管です。

給湯器内部には凍結予防用のヒーターがあり、外気温の極端な低下を除いて凍結を起こすリスクはそこまで高くありません。

配管には冷たい水が通ること、自動凍結防止機能では一部の配管しか凍結予防ができないことから、部位ごとに断熱材やヒーターの取り付け、通水、自動凍結防止機能の運転など、適切な凍結予防対策が重要となります。

給水用の配管

温かいお湯が通らない給水用の配管(水道管)は、凍結がもっとも発生しやすい配管です。

給水用の配管は、いわゆる水道管のことを指します。

水道水は公道を通る公設管から流れてきて、私有地内の私設管と呼ばれる水道配管を通して給湯器に送られ、加熱されることでお湯が作られています。

公設管または私設管といった水道配管が凍結を起こすと、給湯器への通水が途絶えるためお湯が使えなくなってしまうのです。

特に、水道管がむき出しになっている、家屋の北側など日陰になりやすい場所に水道管が通っているなどの条件下では、寒冷地でなくても凍結するリスクが比較的高いです。

給水管が凍結した際に表示される可能性のあるエラーコードは、「562」です。

562エラーはお湯はり電磁弁異常の検知時にリモコンに表示されるエラーで、断水、給水配管の凍結、部品の故障などが原因で発生します。

給湯用の配管

給湯用の配管は、給湯器から蛇口までを繋ぐ配管です。

温かいお湯が通ることから比較的凍結は起きにくい配管ですが、長時間使用せず配管内のお湯が冷めると、凍結を起こすリスクがあります。

給水配管ほどではありませんが、外気温の影響も受けるため、気温が下がる時期には注意しておくべきと言えます。

追い焚き用の配管

追い焚き用配管は給湯用の配管と同様で、お湯を通す配管ですので凍結は起きにくい傾向にあります。

加えて追い焚き付き給湯器には凍結予防機能の自動ポンプ運転が備わっていますので、外気温低下時には循環ポンプが強制的に追い焚き配管内の水を循環させることで、凍結を自動で予防してくれます。

ですが、給湯器の電源が入っていない場合や停電時などは予防機能が稼働できず、外気温がマイナス15℃以下になると自動ポンプ運転では凍結を防ぐことが難しくなるなど、状況によっては凍結を起こす可能性があります。

追い焚き配管が凍結してお湯はりや追い焚きができなくなった場合、エラーコード「632」または「032」がリモコンに表示されます。

自然解凍で復旧するケースが多いですが、配管の配置状況や気温によっては解凍に日数がかかる場合がございます。

ドレン排水用の配管

ドレン排水管は、省エネ給湯器の機器内部で発生する結露水を処理するための配管です。

ドレン配管が凍結を起こすと、ドレン排水が排出されず給湯器内部に溜まり、給湯器が燃焼を停止します。

エコジョーズやハイブリッド給湯器(エコワン)、エコキュートやエコフィールなど省エネ給湯器をお使いでしたら、ドレン排水管の凍結にもご注意ください。

ドレン排水用の配管が凍結すると、リモコンにはエラーコード「290」または「291」が表示される可能性があります。

給湯器の本体と配管の接続部分

給湯器本体と配管の接続部分は、金属製の部品が露出していることが多く、外気温の影響を受けやすい部位となります。

また、給湯器の内部を温める凍結予防ヒーターではカバーができない箇所です。

そのため、断熱保温が十分でない場合は、凍結を起こす可能性があります。

給湯器が凍結した際の基本的な対処方法

給湯器が凍結した際、基本かつもっともおすすめの対処方法は、自然に解凍するのを待つことです。

自然解凍はメーカーが推奨する安全な方法であり、給湯器本体や配管への負担が少ないというメリットがあります。

ただし、寒い日が続く場合や、日陰に給湯器が設置されている場合など、状況によっては数日かかることもあります。

自然解凍の手順は、以下のとおりです。

  1. リモコンの電源をオフにする
  2. 外気温が上昇し、氷が自然に解凍するのを待つ
  3. 水が供給されるようになったら、水漏れが無いか確認
  4. リモコンの電源を入れ、各給湯栓(蛇口など)からお湯が出るか確認する

給湯器の凍結は冷えが強くなる夜中から明け方に起きることが多く、日が出て気温が上昇すると氷が自然に解けてお湯が出るようになります。

一般的には数時間から半日程度で解消されることが多いと言われています。

凍結した給湯器の応急処置方法
(すぐお湯を使用したい場合)

気温がなかなか上昇せず自然解凍を待つのが難しい、できるだけ早く凍結を解消したい場合には、自分でできる応急処置を試してみましょう。

凍結の応急処置の準備として、まずは給水元栓が凍結していないかを確認します。

具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. リモコンの電源をオフにする
  2. 給湯栓を少しだけ開ける
  3. ガス栓を閉める
  4. 給湯器本体の給水元栓を閉めて、動くか確認する

給水元栓が凍結して回らなくなっている場合は、次項で紹介するぬるま湯またはドライヤーを使った方法で、氷を溶かします。

給水元栓が凍結しておらず回るようなら、別の箇所で凍結が起きているため、該当箇所を温めて氷を溶かします。

以下で、自分でできる具体的な凍結の応急処置方法を解説します。

ぬるま湯をかける

ぬるま湯を使った給湯器の凍結に対する応急処置方法は、以下の手順で行います。

  1. 給湯器リモコンの電源をオフにする(リモコンが無い場合はガス栓をしっかり閉める)
  2. 給湯栓(キッチンや浴室などにあるお湯の蛇口)を少しだけ開ける
  3. 凍結している給水元栓や配管に、タオルを巻く
  4. タオルの上から、30~40℃程度のぬるま湯をゆっくりかける
  5. 給水元栓が回る・配管の水が流れることを確認したら、②で開けた蛇口を閉める
  6. タオルを取り、乾いた布を使って給水元栓・配管に付着した水分を拭き取る

注意点は、お湯をかける場合は熱湯を使わないこと、お湯が電源コードやコンセントにかからないようにすることです。

また、水が流れるようになった際に、配管や接続部などから水漏れしている場合は、危険ですので給湯器の使用を中止してください。

ドライヤーで温める

ぬるま湯が用意できない状況で、給湯器の近くにコンセントがある場合は、ドライヤーの温風で凍結した部分を温めるのも応急処置として有効的です。

ドライヤーを使って配管や給湯栓の凍結を解消する際は、以下のポイントに注意してください。

  • ドライヤーを近づけすぎない
  • 長時間温めない
  • 熱風をあてない

凍結部分を熱風で長時間温めてしまうと、乾燥して部品が劣化する恐れがあります。

急速に加熱すると配管が破裂する可能性もあるため、ドライヤーを近づけすぎず、解凍できているか確かめながら、短時間ずつ温めるようにしましょう。

給湯器の凍結でやってはいけない対処方法・NG行動

熱湯をかけるなど、急速な加熱

凍結の応急処置を行う際、給湯元栓や配管を急激に加熱することは絶対に避けてください。

具体的には、熱いお湯をかける、ドライヤーの熱風を長時間当て続けるなどが該当します。

配管や接続部、元栓などを急激に熱すると、破損して水漏れが発生する恐れがあります。

破損するとお湯が使えなくなるだけでなく、業者による修理対応が必要となります。

お湯を使う場合は約30~40℃のぬるま湯をゆっくりかける、ドライヤーを使う場合は短時間ずつ様子を見ながら温風をあてるようにしましょう。

お湯をかけた後に水分を拭き取らず放置する

ぬるま湯をかけて凍結した配管や元栓などを解凍する際は、解凍後にかならず水分を拭き取ってください。

水分が残っていると配管や元栓の外部が凍ってしまい、内部の温度が下がりやすくなり再び凍結する恐れがあります。

給湯器の凍結で業者対応が必要な場合

給湯器本体や配管が破損している

凍結により給湯器内部の部品が損傷した場合や、配管が破裂したり亀裂が入ったりしている場合は、専門的な修理や、状態によっては給湯器自体の交換が必要です。

特に、水漏れが発生している場合や、異音や異臭がある場合は、事故につながる可能性があり緊急性が高いため、早急に業者を手配することをおすすめします。

自分で対処してもお湯がでない

自然解凍や電源の入れなおし、ぬるま湯やドライヤーなどを使って凍結を解消してもお湯が出ない場合は、給湯器内部や配管などで深刻なトラブルが起きている可能性があります。

給湯器内部が故障している場合、ユーザーが自分で修理や点検を行うことはできません。

メーカーまたは業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。

エラーコードが消えない

給湯器の凍結が解消されたにも関わらずリモコンにエラーコードが表示されたままで、リセットしても消えないようでしたら、専門的な対応が必要な状況である可能性が高いです。

エラーを無視して給湯器を使い続けると、火災や爆発、一酸化炭素中毒など危険性の高い事故につながる恐れがあります。

エラーコードが消えないようなら、使用を中止して業者に相談するようにしましょう。

凍結した給湯器の保険・保証について

凍結による故障はメーカー保証対象外

凍結が原因による給湯器の故障・破損は、一般的にメーカー保証の対象外となります。

メーカー保証は通常、製品の製造上の欠陥や通常使用による故障を対象としており、凍結は外部要因による損傷とみなされ、製品自体の欠陥ではないと判断されるからです。

そのため、給湯器が凍結を起こした場合、メーカー保証期間内であっても修理する際には費用が発生します。

凍結による給湯器の修理費用は約8,000~100,000円。

配管の修理だけで済めば1万円を切ることが多いですが、熱交換器や電源基板など内部部品の修理が必要だと10万円と大幅に高額となるケースもございます。

高額な修理費用の支払いを防ぐためにも、気温が低下する前には適切な凍結防止対策を行うことが大切です。

配管の凍結はメーカー対応不可

メーカーは給湯器そのものの故障や不具合には対応しますが、配管の凍結までは対応できません。

例として、給水配管、給湯配管、ドレン配管など、給湯器から離れた部分の配管、建物側の配管全般の凍結は、メーカー対応範囲外です。

配管が凍結して損傷した際の依頼先は、給湯器を設置した業者や、配管修理に対応した地域の水道工事業者、住宅設備全般を取り扱う設備会社など、一般の施工業者となります。

火災保険は補償内容の確認が必要

一部の火災保険では、凍結による給湯器の故障や配管の損傷などが補償対象となっており、修理費用が補填される可能性があります。

補償対象となる可能性があるのは、「水ぬれ補償」または「水道管修理費用保険金」の2つ。

水濡れ補償

水濡れ補償は凍結による水漏れ被害を受けて給湯器が故障したときに使える保証で、一部火災保険で付帯していますが、保険会社によっては別途加入が必要です。

水道管修理費用保険金

水道管修理費用保険金は特約として別途加入する必要がある保証で、対象は水道配管の凍結であり、給湯器本体の凍結故障には適用されません。

火災保険は保険会社や保険内容などによって補償内容が異なるため、利用する際は契約内容をしっかり確認しましょう。

凍結した給湯器は交換すべき?

給湯器の修理費用が高額かつ長期間使用している場合は、交換を検討することも一つの選択肢です。

基本的に、故障した給湯器は交換より修理の方が費用が安く、軽微な故障内容で修理費用が安価で済むのであれば、修理した方がよいでしょう。

ですが、古い給湯器はさまざまな部品が摩耗・劣化していることから、凍結被害を受けた部品を修理しても、すぐにまた別の部品が不具合を起こす可能性があるのです。

給湯器の凍結で利用できる保証・保険は少なく、修理費用は自費負担となることが多いです。

もし給湯器内部の基板や電子回路、熱交換器などが損傷している、複数の部品が不具合を起こしている場合、修理費用は10万円以上かかることもあります。

もし修理費用があまりにも高額になる場合は、交換を視野に入れることをおすすめいたします。

まとめ

給湯器は凍結すると、お湯が使えなくなるだけでなく、修理費用が高額になることが多いため、事前の予防対策をとることが大切です。

給湯器や配管や水栓などの凍結は、外気温が下がることが原因で発生します。

予防方法は、給湯器の電源を切らない、配管を断熱材やヒーターなどで保温する、給湯栓から水を少しだけ流す、水抜きするなどの方法がございます。

凍結被害でお湯が出なくなった場合、おすすめの対処方法は自然解凍を待つことです。

配管の凍結は、基本的には気温上昇にともなう自然解凍で解決するケースが多いです。

もし氷の圧迫が原因で配管が破裂したり亀裂が入ったりしていた場合には、水漏れを起こすため修理や補修などの対応が必要です。

凍結は使用者の責任とされるのが一般的ですので、メーカー保証の対象外となり、火災保険も一部のみしか対応していないことが多いため、寒くなる冬前には給湯器や配管の凍結予防を見直すことをおすすめいたします。

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