
給湯器は毎日の生活で使用するお湯を作る家電で、私たちの生活に欠かせない存在です。
その給湯器が何らかのトラブルによって電源が入らなくなってしまうと、日常生活に支障をきたしてしまいます。
本記事では、給湯器の電源が入らなくなる原因を詳しく解説し、適切な対処法と予防策を紹介します。
この記事でわかること
- 給湯器の電源が入らなくなる原因
- 電源が入らない時、自分でできる対処方法
- やってはいけない対処法
- 業者への依頼が必要なケース
給湯器の電源が入らない主な原因と対処法
給湯器の電源が入らなくなった時は、まず原因を把握することが大切です。
給湯器の電源が入らない原因は、多岐にわたります。
原因が何かを理解することで、どのような対処を行うべきか、自分で対処することができるか、業者の対応が必要かどうかなどを判断する手がかりとなります。
以下で、給湯器の電源が入らなくなる原因と、原因に合わせた個別の対処方法について解説します。
電源コンセントや配線の問題
給湯器の電源が入らない場合、最初に確認すべきポイントは、コンセントや配線の状態です。
コンセントが抜けている
コンセントから電源プラグが抜けていると、給湯器本体に電気が供給されず、電源が入らない原因となります。
コンセントが抜けていないか確認し、抜けている場合はプラグを差し込んでから電源が入るか確認してみましょう。
給湯器のコンセントは本体の近くにあります。
戸建て住宅で屋外に給湯器が設置されている、またはマンションやアパートで給湯器がベランダに設置されている場合は、外壁にコンセントがあるのが一般的です。
屋内設置型の給湯器では、近くの壁にコンセントがあるはずです。
マンションやアパートなど集合住宅で、PS(パイプスペース)内に給湯器が設置されている場合は、PS内にコンセントがあります。
給湯器の電源プラグがコンセントから抜ける原因は、外壁塗装や壁紙の貼り換えといったリフォームや電気工事などを行う際に業者が電源を抜いてそのままにしてしまった、通り道などにコンセントがあり気づかず接触して抜けた、イタズラ被害などが考えられます。
通常、給湯器本体のコンセントは簡単に抜けることがないため、自然に抜けるということは考えにくいです。
盗電や悪質なイタズラの可能性も否定できませんので、給湯器のコンセントが頻繁に抜けるようなら、鍵付きのセキュリティカバーを取り付けたり、賃貸の管理会社やオーナー、警察などに相談されることをおすすめします。
ブレーカーが落ちた
ブレーカーが落ちてしまうと、電気の供給が止まるため給湯器本体やリモコンの電源が入らなくなります。
ブレーカーが落ちる原因は、電気系統の異常や機器の故障、漏電、電力の過剰使用などが考えられます。
ブレーカーは安全ブレーカー、漏電ブレーカー、アンペアブレーカーの3つがあり、落ちる原因はそれぞれ異なります。
電力を特定の回路で過剰に使用して安全ブレーカーが落ちた場合は、電力を消費する家電製品の電源をできるだけオフにしてから、ブレーカーのスイッチを入れてください。
ブレーカーがリセットされて電力供給が再開されます。
復旧後に繰り返しブレーカーが落ちてしまう場合は、回路の配置を変更するか、配線の見直し、回路の増設などの対応が必要かもしれないため、専門業者へ相談してみましょう。
漏電ブレーカーが落ちている場合は、専門業者による漏電箇所の修理・修復が必要です。
漏電箇所の特定は、すべてのブレーカーを一度オフ状態にしてから、ひとつずつオンに切り替えることで判断することができます。
アンペアブレーカーが落ちている場合は、電力会社と契約しているアンペア数を超えた電力を使用していることが原因です。
電力消費量が大きい家電を同時に使わないようにするか、契約プランの見直しを検討する必要があるでしょう。
配線の劣化や断線
配線にトラブルが起きていると、給湯器本体やリモコンの電源が入らない原因となります。
長期的に給湯器を使用していると、配線が経年劣化による損耗や腐食などを起こすことがあります。
また、ネズミやイタチ、ハクビシンや猫など、野生動物に配線を噛まれて断線することもあります。
配線が劣化していたり断線していたりする場合は、専門業者による修理や交換などの対応が必要です。
給湯器本体の故障
給湯器本体の電源が入らない場合、本体内部の部品が故障している可能性があります。
原因は電装基板の故障や漏電によるショート、電源システムの異常などが挙げられます。
給湯器の寿命は約10年ですので、10年以上使用している給湯器の電源が入らなくなった場合は、本体の故障が原因の可能性が高いです。
本体内部の修理や交換は有資格者でないと行うことができないため、専門業者への依頼が必要となります。
リモコンが原因のトラブル
リモコンに何らかの問題が起きていると、給湯器の電源が入らない原因となりことがあります。
リモコンがロックされている
給湯器のリモコンには、小さなお子様やお年寄りなどの誤った操作やイタズラを防ぐために、ロック機能が搭載された種類がございます。
チャイルドロック機能が作動していると、リモコンの電源ボタンを押しても電源が入りません。
ロック機能を解除してから、再度電源を入れなおしてみましょう。
チャイルドロックの解除方法は、給湯器の取扱説明書に記載されています。
リモコンの故障
給湯器のリモコンが故障していると、電源が入らなくなる原因となることがあります。
蛇口やシャワーからお湯が出るのにリモコンの液晶画面が点かない場合は、リモコンが故障している可能性があります。
給湯器用のリモコンの寿命は、給湯器本体と同じで約10年。
リモコンの使用期間が10年を超過していると、給湯器本体の使用期間も10年以上となりますので、本体ごと交換するのがおすすめです。
外的要因によるトラブル
給湯器本体には問題がなくても、外的要因が原因となるケースも少なくありません。
落雷・停電の影響
落雷や強風、豪雨など天候の影響を受けると、給湯器の安全装置が作動して給湯器の電源が入らなくなることがあります。
天候など一時的な影響であれば、給湯器のコンセントを抜いて10秒ほど経ってから差し込む、または電源を一度落としてから入れなおすなどの方法で復旧が可能です。
また、停電が発生しているときも、給湯器の電源が入らなくなります。
地域で停電が起きていないか確認し、停電復旧後に電源を入れなおしてみましょう。
停電の復旧情報は、お住まいの地域の電力会社のホームページに記載された情報を見るか、電話で問い合わせることで確認ができます。
凍結の影響
低温下で給湯器の部品や配管が凍結している場合、給湯器内部の温度が高温になりすぎてしまった際に火災を防止する目的で、安全装置が作動することがあります。
また、凍結で給水配管から水が供給されない状況においても、給湯器の電源がつかなくなる可能性があります。
急激な気温の低下によって給湯器が凍結した場合は、基本的には自然解凍を待つのがおすすめです。
気温上昇とともにゆっくりと氷が溶けるため、無理やり凍結部分を解凍するよりも配管の破損リスクが低いためです。
注意点として、もし給湯器内部で凍結が発生し、内部配線の接続部などに水がかかって漏電したことによって電源が入らなくなった場合は、修理や交換など専門業者による対応が必要となります。
給湯器の電源が入らないときの基本的な対処法
ここからは、給湯器が電源が入らなくなった時にできる、基本的な対応についての解説です。
「給湯器の電源が入らない主な原因と対処法」で紹介した原因に当てはまるか分からない、対処方法を試したが症状が改善されない場合は、焦らずに次の手順で復旧作業と動作確認を進めましょう。
①電源周りの確認
まずは、給湯器の電源に関する基本的なチェックを行います。
- コンセントが正しく差し込まれているか確認する
- ブレーカーが作動していないか確認する
- 他の電化製品をコンセントに差し込んで、電源供給が問題ないかテストする
- 電源コードや配線が損傷していないか確認する
②エラーコードを確認する
リモコンにエラーコードが表示されていないか確認します。
給湯器に何らかのトラブルが起きた際、リモコンの液晶画面にエラーコードが表示されることがあります。
エラーコードは2桁または3桁の英数字の組み合わせで表示され、番号によってトラブル内容や対処方法を把握することができます。
コード番号を確認したら、取扱説明書またはメーカーのホームページなどに記載されている対処方法を試してみましょう。
③リモコンをリセットする
給湯器リモコンのリセット方法は、メーカーや機種によって異なるため、取扱説明書をご確認ください。
一般的なリセットの手順は、以下のとおりです。
- 給湯器の運転を停止、電源をオフにする
- リモコンの電源をオフにする
- 電源が切れていることを確認し、再度電源をオンにする
- エラーコードが表示されていないか確認する
- 蛇口などからお湯が出るか確認する
④給湯器のリセット操作を試す
給湯器本体のリセット方法は、メーカーや機種によって異なる場合がございます。
リセット方法は取扱説明書またはメーカーのホームページに記載されていますので、そちらで確認されることをおすすめします。
基本的なリセット方法は、以下の流れで行います。
- 給湯器の電源プラグをコンセントから抜く
- 電源を抜いた状態で、10秒ほど待つ
- 電源プラグをコンセントに差し直す
- 通電しているか、リモコンにエラーが出ていないか確認する
- 蛇口やシャワーからお湯が出るか確認する
※ガス臭や焦げ臭いニオイがしている場合や、雨が降っている場合、感電や引火、爆発などの危険があるため、電源プラグの抜き差しは絶対に行わないようにしてください。
⑤凍結の有無を確認
給水用の配管が凍結していると電源が入らない原因となることがあるため、凍結が疑われる場合は、配管を目視で確認して凍結が起きていないか確認してみましょう。
配管が凍結していた場合は、氷が自然に溶けるのを待つのが最もおすすめの対処方法となります。
また、凍結した部分にタオルを巻き付け、上からぬるま湯をかけて自分で解凍する方法もあります。
ぬるま湯をかけて解凍した場合、配管に付着した水分は丁寧に拭き取ってください。
凍結部分の氷が溶けて水が流れるようになったら、給湯器の電源が入るか確認しましょう。
もし凍結で配管が破裂したり亀裂が入ったりなど損傷して水漏れが発生した場合は、配管の修理を手配する必要があります。
給湯器の電源が入らない場合にやってはいけないこと
給湯器の電源が入らなくなったとき、症状を悪化させないために以下の行動は避けてください。
自分で給湯器の修理を行わない
給湯器の電源が入らなくなった際、自分で修理することは避けてください。
故障した給湯器の修理は、メーカーまたはメーカーが指定する代理店以外が行うことは禁止されています。
給湯器のカバーを開けて内部部品を分解すると、感電や爆発といった事故を誘発する恐れがあり大変危険です。
また、自分で修理作業を行って症状が悪化したり故障個所が増えた場合、故意に破壊したと見なされ、メーカー保証や火災保険など各種保険が利用できなくなります。
修理が必要な場合は、まずはメーカーに直接連絡するようにしましょう。
凍結した配管に熱湯をかけない
給水配管の凍結が原因で電源が入らなくなった際、凍結部分に熱湯をかけてはいけません。
凍結した配管を解凍する際に熱湯を使用すると、配管に負担がかかって破裂・亀裂が入るなど損傷する恐れがあります。
もしお湯を使って凍結を解消したい場合は、30~40℃程度のぬるま湯を使用してください。
配管の凍結部分にタオルを巻き、その上からぬるま湯をゆっくりかけるようにしましょう。
業者対応が必要なケース
給湯器の修理や交換を行うタイミング
自分でできる対処法を試したが改善しない場合
上記でご紹介した自分でできる対処方法を試しても、給湯器の電源が入らない場合は、残念ながらご自身での修理は難しいケースが多いです。
給湯器内部の故障が原因の場合、専門の知識と技術が必要となるため、無理に修理しようとせず、専門業者に依頼することをおすすめします。
給湯器の使用期間が10年を超えている
給湯器の寿命は、使用頻度や設置場所、メンテナンス状況などによって異なりますが、一般的な使い方をしている場合は約10年が平均です。
ノーリツ・リンナイ・パロマなど多くの給湯器メーカーは、給湯器の「設計上の標準使用期間」を10年と定めています。
10年以上使用している給湯器は、安全上支障なく使用できる期間を過ぎており、修理に必要な保守部品の製造も10年までとなっています。
そのため、基本的には10年以上使用している給湯器は修理ができず、交換対応が必要になります。
電源が入らなくなってしまった給湯器の使用期間が10年以上であれば、修理ではなく交換をご検討ください。
給湯器の使用期間を把握するには、給湯器の本体前面または側面に銘板シールをご確認ください。
銘板シールにはメーカーや型番のほか、製造年月も記載されています。
給湯器の寿命・故障の症状
給湯器が古くなると、故障や不具合などのトラブルが起きやすくなり、修理費用が高額になることがあります。
10年以上使用している給湯器に以下のような症状がでたら、耐用年数・寿命を超えており交換時期となります。
安全快適にお湯を使用するためにも、症状に気が付いたら早めに交換を検討しましょう。
- お湯が出ない
- お湯の温度が安定しない
- ボンッ、ゴーッなどの異音がする
- ガス料金が高くなった
- 給湯器からガス臭やコゲ臭いニオイなど、異臭がする
- 給湯器本体に近づくと目がチカチカしたり沁みる感じがする
電源が頻繁に落ちてしまう
電源が入るようになった後、繰り返し何度も電源が入らなくなる症状が続くようでしたら、メーカーによる修理対応や専門業者による給湯器自体の交換などが必要な状況であることが予想されます。
給湯器は燃料にガスや石油や電気を使用する精密機器であり、不具合を無視して無理に使い続けると思わぬ事故につながる危険性があります。
何度も電源が入らなくなったり、頻繁に電源が落ちるようでしたら、早めに専門業者に依頼して修理や交換などを手配することをおすすめします。
給湯器の修理や交換にかかる費用
給湯器の修理にかかる費用は、約3~6万円が一般的です。
ただし、複数個所の部品修理が必要な場合や、給湯器の取り外し作業が必要な場合、高所や狭所作業を行う場合などは、更に料金が高くなる可能性があります。
給湯器の修理はメーカーまたはメーカー指定代理店のみ対応することができますので、修理を検討されている場合はメーカーに直接連絡してください。
給湯器交換にかかる費用は、10万円~35万円が一般的な相場です。
機種やメーカー、工事の範囲や設置場所の環境などによって金額が大きく異なりますので、給湯器交換の見積もりを取るには、業者による現地調査が必要となります。
給湯器の交換工事は、メーカーのほか、ガス会社やハウスメーカー、ホームセンターや家電量販店など様々な業者が対応できます。
おすすめは給湯器専門業者で、他の業者と比べて交換費用が安く、依頼から工事完了までスピーディな対応が可能となっています。
弊社「給湯器交換のユプロ」も給湯器交換の専門業者で、年中無休の最短即日工事に対応、ノーリツやリンナイやパロマほか人気給湯器を格安価格でご提供します。
「給湯器の電源が入らない!原因と対処方法」まとめ
給湯器の電源が入らないと、お湯が使えなくなるため日常生活に大きな影響を与えます。
電源が入らない原因を特定し、適切な対処を行うことで、迅速にトラブルを解消することが可能です。
ご自身でできる簡単な対処法を試しても改善されない場合や、自分で対応が難しい場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
早めの対処が、二次的なトラブルを防ぐことに繋がります。
給湯器交換のユプロでは、電源が入らなくなった給湯器の交換に、365日年中無休で駆けつけます。
一戸建てやマンションやアパートなど様々な現場での給湯器交換に対応可能です。
給湯器の交換に必要な資格を保有したベテランスタッフが親切丁寧に対応いたしますので、給湯器トラブルでお困りの際はぜひユプロまでお気軽にご相談ください。