エコキュートと電気温水器の違いを徹底解説!
選び方のポイントと特徴

オール電化住宅で設置される給湯器は、「エコキュート」か「電気温水器」のどちらかです。

エコキュートと電気温水器はお湯を沸かすために電気を使用するという共通点がありますが、仕組みや構造、コストなどが大きく異なります。

本記事では、エコキュートと電気温水器の基本的な違いや選び方のポイント、メリット・デメリットを詳しく解説します。

どちらを設置するか悩んでいる、電気温水器からエコキュートへの交換を検討されている方は、ぜひご参考になさってください。

この記事でわかること

  1. エコキュートと電気温水器の基本的な違い
  2. それぞれのメリット、デメリット
  3. 条件に合わせて選ぶならどちらが良いか

エコキュートと電気温水器の違い

エコキュートと電気温水器の違いは、大きく分けて以下の5つがあります。

  • 使用する熱源
  • 湯沸かしの仕組み
  • 環境への影響
  • 初期費用
  • ランニングコスト

これらには明確な違いがあり、メリットとデメリットも異なります。

そのため、交換設置の際にはそれぞれの項目を比較する必要があると言えるでしょう。

エコキュートと電気温水器の比較表

比較項目 エコキュート 電気温水器
仕組み ヒートポンプで空気中の熱を吸収 タンク内のヒーターで水を直接加熱
熱源 少量の電気、空気熱 電気のみ
給湯効率 高効率 低い
省エネ性 CO2排出量が少なく
環境負荷が少ない
環境負荷が高い
初期費用 高い 低い
ランニングコスト 低い 高い
寿命 約10~15年 約15年
メリット
  • 電気代が安い
  • 補助金を利用できる
  • AIの学習機能で効率的に運用できる
  • 初期費用が安い
  • 短時間で大量のお湯を沸かせる
  • 構造がシンプルで故障が少ない
デメリット
  • 初期費用が高い
  • 設置スペースが必要
  • 運転音が気になることがある
  • 電気代が高い
  • 貯湯式は水圧が弱い
  • 貯湯式はお湯切れを起こす可能性がある

エコキュートと電気温水器の共通点

エコキュートと電気温水器は、どちらも電気を利用してお湯を供給する給湯設備です。

ガス給湯器や石油給湯器(ボイラー)のように化石燃料を使用しないことから環境負荷が小さく、火を使わないため火災のリスクが低く安全性が高いという特徴があります。

また、エコキュートと電気温水器はどちらも電気料金が割安となる夜間電力を利用してお湯を沸かすことから、給湯にかかる光熱費を安く抑えることができる点も共通しています。

深夜に沸かしたお湯は貯湯タンクに貯めておくため、地震など災害時に断水が起きたときには、タンク内の水を非常時の生活用水として活用することも可能です。

タンク内の水はカルキが抜けていることからそのまま飲み水として使用することはできませんが、煮沸することで飲用が可能となります。

エコキュートも電気温水器もタンク内に貯めたお湯を使用するため、お湯をたくさん使うとお湯切れが発生する可能性がある点には注意が必要です。

ただし、瞬間式の電気温水器はタンクレスタイプのため、お湯切れの心配はありません。

エコキュートとは

エコキュートは、再生可能エネルギーを活用した家庭用の給湯設備です。

2種類の機械を組み合わせた構成となっており、ヒートポンプユニットと貯湯タンクを使用します。

熱源はわずかな電気と空気熱で、ヒートポンプの原理を利用して沸かしたお湯を、貯湯タンクに貯蔵します。

電気代が安くなる夜間に効率よくお湯を沸かすことから、給湯にかかる光熱費を大幅に削減でき、二酸化炭素の排出量が少なく環境負荷も抑えられる設計となっています。

エコキュートの仕組み

エコキュートは、ヒートポンプ方式によってお湯を沸かす仕組みをとっています。

ヒートポンプユニットで大気中の空気から熱を吸収して冷媒(二酸化炭素)に取り込み、コンプレッサーで圧縮機で高温・高圧に圧縮。

高温になった冷媒の熱を水側熱交換器を通して水に伝えて加熱、作られた約80℃のお湯を貯湯タンクに移動させ、保温して貯蔵します。

入浴や家事などでお湯を使用する際には、タンク内の高温水と水道水を混ぜることによって、設定温度に調節します。

エコキュートのメリット

エコキュート最大のメリットは、ランニングコスト(運用費用)の低さです。

お湯を作るのは電気料金が安くなる深夜電力の時間帯で、電気だけでなく大気熱エネルギーも活用するため、高効率な湯沸かしが実現しました。

お湯を作るために必要なエネルギーの内訳は、約4分の1が電気で、大気熱が約4分の3であることから、従来の電気温水器と比較すると給湯にかかる電気代は約4分の1。

ガス給湯器や石油給湯器と比べても、エコキュートのランニングコストは約3分の1程度です。

また、ガスや石油などの燃料を燃焼しないため、地球温暖化に最も影響を与えるCO2(二酸化炭素)の排出量は約65%も削減されます。

省エネルギーで環境にやさしい設計であることから国や自治体ではエコキュートの導入に対し補助金制度を用意しており、導入費用を安く抑えることが可能です。

2025年度は、1台あたりの基本額が6万円、要件を満たせば最大13万円の補助金が交付されます。

エコキュートのデメリット

エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つが1セットとなっているため、初期費用が高額になる傾向があり、設置には広いスペースが必要です。

貯湯タンク内に貯めたお湯を生活用水として使うため、お湯を使いすぎるとお湯切れを起こす可能性もあります。

また、ヒートポンプユニットが空気の熱を圧縮する際に、12.5Hzの低周波音が発生します。

通常は聞き取れない程度の音ですが、深夜帯に低周波音が発生することから、人によっては影響を受けることがあります。

例として、睡眠が十分にとれない、頭痛や血圧の上昇、不快感や圧迫感といった身体症状を引き起こすことや、騒音問題として近隣住民とトラブルになることも。

設置場所の配慮や低周波対策が必要となる可能性にも注意が必要と言えるでしょう。

電気温水器とは

電気温水器は、電気の力を利用してお湯を沸かし、貯めておく給湯器です。

シンプルな構造と安定した性能で知られる給湯器です。

お湯を直接加熱する仕組みのため、短時間での給湯が可能です。また、寒冷地でも高いパフォーマンスを発揮し、初期費用を抑えたい家庭にとって魅力的な選択肢となっています。

電気温水器の仕組み

電気温水器は、電熱ヒーターが内蔵された貯湯タンクでお湯を沸かします。

貯湯タンクに貯めた水道水を電気ヒーターによって加熱してお湯を沸かす仕組みで、熱源は電気のみです。

電気温水器のメリット

電気温水器のメリットは、導入費用が比較的安価であることです。構造がシンプルであるため故障しにくいと言われており、メンテナンスコストも低く抑えられます。

お湯を加熱するヒーターは貯湯タンク内に組み込まれているため、運転音はエコキュートよりも静かで、設置スペースが限られている家庭にも適しています。

また、貯湯タンクを必要としない瞬間式の電気温水器では、サイズがさらにコンパクト。

限られたスペースにも設置ができ、貯湯式のようにお湯切れを起こす心配もありません。

電気温水器のデメリット

一方で、電気温水器はランニングコストが高くなる傾向があります。

電気のエネルギーのみを利用してお湯を作るため、エコキュートに比べると光熱費が高くなってしまいます。

電気温水器の導入費用はエコキュートよりは安価ですが、ガス給湯器や石油給湯器(ボイラー)に比べると高く、省エネ設備を対象とした補助金制度は対象外であるケースがほとんどです。

貯湯式の電気温水器では、お湯を使いすぎるとお湯切れを起こすリスクがあり、機種によっては給湯圧力が低くシャワーの勢いに物足りなさを感じるかもしれません。

エコキュートと電気温水器、どちらを選ぶべき?

エコキュートと電気温水器のどちらを選ぶべきかは、ご家庭の状況やライフスタイルによって異なります。

エコキュートがおすすめの方

電気代を節約したい

エコキュートは、給湯にかかる光熱費を大幅に節約できるのが特徴です。

ヒートポンプ技術を活用して空気中の熱を利用してお湯を効率的に沸かすため、電気エネルギーの消費量は少量で、通常の電気温水器と比較するとランニングコストは約4分の1程度。

深夜電力の活用や、エコキュート専用のお得な電気料金プランなどを契約することで、さらにコストを抑えることが可能です。

そのため、給湯にかかる年間の電気代を抑えたい場合は、エコキュートの導入がおすすめです。

環境に配慮したい

環境に配慮したい方や、省エネに興味がある場合は、省エネ性に優れたエコキュートがおすすめとなります。

エコキュートは再生可能エネルギーである空気の熱をメインの燃料として、生活に必要なお湯を沸かします。

ガスや石油といった燃料を燃やすガス給湯器やボイラー(石油給湯器)と比較して、CO2(二酸化炭素)の排出量が非常に少ないのが特徴です。

設置スペースに余裕がある

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つの機器を1セットとして設置する必要があるため、広い設置スペースが必要です。

また、稼働時に低周波、共振など騒音が気になることがあります。

音に敏感な方や近隣トラブルを防止するためには、広いスペースが必要と言えます。

お湯の使用量が多い

エコキュートには「沸き増し」機能が搭載されています。

リモコンの沸き増しボタンを押すことで、貯湯タンクのお湯を満タンにすることが可能です。

いつもより多量のお湯を必要とする状況において、お湯切れを防止することができるため、急な来客などでも問題なく対応することができます。

補助金を使ってお得に給湯器を交換したい

給湯器の交換を検討する際に、補助金制度を活用して費用を抑えたい場合にも、エコキュートの導入がおすすめです。

エコキュートは省エネルギー性能が高い住宅設備であり、自治体や国の補助金制度の対象となるケースが多くみられます。

エコキュートは交換設置費用がやや高額な給湯器ですが、補助金を利用することで、導入費用を抑えてコストを軽減しできる可能性があります。

補助金制度を利用するには、対象要件を満たしている必要があります。

対象製品の指定や台数制限、予算額などが設けられており、年度ごとに補助金の金額も異なる点にも注意が必要です。

そのため、補助金制度の利用を検討している場合は最新の情報を確認したり、給湯省エネ事業に登録している工事事業者などに問い合わせるようにしましょう。

電気温水器がおすすめの方

給湯器の交換・設置費用を抑えたい

電気温水器はヒーターが組み込まれた貯湯タンクのみ設置します。

ヒートポンプユニットと貯湯タンクを必要とするエコキュートと比べると、交換設置にかかる費用は安価です。

日々のランニングコストはエコキュートの方が抑えられますが、初期費用を抑えたい場合には、電気温水器の導入がおすすめとなります。

コンパクトな給湯器を設置したい

マンションやアパート、狭小住宅、エコキュートの設置スペースが確保できない住宅など、給湯器の設置スペースに制約がある場合は、電気温水器がおすすめです。

電気温水器はヒートポンプユニットが不要で、配置するのはヒーターを内蔵したタンクのみとなっているため、設置スペースを抑えることが可能です。

また、コンパクトサイズの貯湯式や、タンクレスの瞬間式など多彩なラインナップがあることから選択肢が多く、設置スペースが限られている場合でも導入しやすいと言えます。

運転音が静かな給湯器が良い

電気温水器は稼働音が静かです。

エコキュートのデメリットである低周波や共振が発生しないため、騒音が気になりにくくなっています。

ガスや石油を燃料とする給湯器のように点火音や燃焼音がなく、非常に静かに稼働します。

物音に敏感な方でも安心して使用でき、マンションやアパートといった集合住宅、住宅密集地などでも稼働音で迷惑になるリスクは極めて低いと言えるでしょう。

エコキュートと電気温水器の違い まとめ

エコキュートと電気温水器は、どちらも電気エネルギーを利用してお湯を沸かす給湯器ですが、多くの違いがあります。

どちらを選ぶかは、ご家庭の状況やライフスタイル、重要視するポイントなどによって異なるため、それぞれのメリット・デメリットを把握して決めるようにしましょう。

電気代を節約したい方や、環境に配慮したい方にはエコキュートが、短時間で大量のお湯を使いたい方や、初期費用を抑えたい方には電気温水器がおすすめです。

エコキュートや電気温水器の交換設置をお考えでしたら、給湯器交換のユプロにお任せください。

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オール電化住宅の導入に伴うガス給湯器からエコキュートへの変更、電気温水器からエコキュートへの変更などもお気軽にご相談ください。

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