
給湯器のエラーコード「920」は、エコジョーズなどの潜熱回収型給湯器に搭載されている中和器の寿命が近づいていることを知らせる警告表示です。
故障による停止ではないため、表示された直後にお湯が使えなくなるわけではありません。
しかし、そのまま放置すると中和器の機能が低下し、次の段階であるエラー「930」へ移行して給湯器が停止する可能性があります。
特に設置から10年以上経過している場合は、中和器交換だけでなく給湯器本体の交換も検討する時期といえるでしょう。
この記事では、給湯器のエラー「920」の意味や原因、自分でできる対処法、放置するリスク、修理費用や交換の判断基準について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 給湯器エラーコード「920」の意味
- 原因と対処方法
- 自分で中和器を交換できるのか
- 修理や交換にかかる費用目安
給湯器のエラーコード「920」の意味
給湯器のエラー「920」は、中和器の交換時期を知らせる警告コードです。
エコジョーズタイプの給湯器は、燃焼時に発生する排気熱を再利用することで、高い省エネ性能を実現しています。
燃焼過程において酸性のドレン水が発生しますが、中和器を通すことで中性に近い状態へ処理され、安全に排水される仕組みとなっています。
中和器は消耗品で、内部に充填されている炭酸カルシウムが無くなると交換が必要となります。
中和器の寿命は、一般的には7〜10年(または約13,000時間の燃焼)とされています。
給湯器を長年使用することで中和剤が減少し、交換時期が近づいたタイミングでエラー「920」が表示されるというわけです。
エラー「920」はあくまで警告
エラー「920」は給湯器本体の故障を意味するものではありません。
あくまでも「中和器の寿命が近いため交換を検討してください」という警告表示であり、表示された時点で給湯器が停止することは基本的にはありません。
そのため、エラー「920」が表示されても、しばらくはお湯を使い続けることができます。
エラー「920」を放置するリスク
エラーコード「920」は警告のため、表示された時点では特に問題なくお湯が使えるため、軽視されがちです。
ですが、放置すると様々なリスクがあるため、エラー「920」が表示されたら、早急に対応することをおすすめします。
以下で、給湯器のエラー「920」を放置するとどんなリスクがあるかについて、解説します。
エラー「930」になる可能性がある
エラー「920」による警告を無視して使い続けると、より深刻なエラー「930」へ進行する可能性があります。
エラーコード「930」は中和器の寿命が尽きたことを知らせるエラーで、表示されると安全のために給湯器が停止してお湯が使用できなくなります。
お湯の使用量によりますが、エラー「920」が表示されてから1~2か月程度の期間は、機器は停止せず通常どおりお湯を使い続けることができます。
突然お湯が使えなくなる事態を避けるためには、エラー「930」に移行する前段階の「920」が表示された時点で、早めに中和器または本体交換を手配しておくのが重要です。
機器内部の腐食や漏水のリスク
中和器の性能が低下すると、酸性のドレン水を十分に中和できなくなり、給湯器内部の部品や配管に負担がかかりやすくなります。
この状態が続くと、部品の腐食や配管の劣化が進行し、漏水が発生するおそれがあります。
漏水は給湯器の故障につながるだけでなく、漏電による感電や、不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、重大な事故を引き起こす原因にもなりかねません。
安全に給湯器を使用し続けるためにも、エラー「920」は表示された時点で早めに中和器の交換や点検を依頼することが大切です。
修理費用が高額になることも
警告が表示された段階で中和器を交換すれば比較的軽微な修理で済む場合でも、そのまま使用を続けることで不具合が進行し、他の部品にまで影響が及ぶ可能性があります。
部品を複数修理する場合は、そのぶんの部品代や作業費が発生し、費用が上がります。
特に電装基板や熱交換器などの重要な部品に不具合が発生すると、修理費用は非常に高額となります。
また、故障箇所が増えるほど修理内容も複雑になり、結果として給湯器本体の交換を提案されるケースも少なくありません。
エラー「920」は故障ではなく交換時期を知らせる警告だからこそ、機器が正常に動いているうちに余裕をもって対応することが大切です。
エラー「920」自分でできる対処方法
エラー「920」は中和器の寿命が近づいていることを知らせる警告表示のため、根本的な解決には中和器の交換が必要になるケースがほとんどです。
しかし、一時的な誤検知や通信エラーによって表示されている可能性もあるため、まずは安全な範囲で確認できる対処法を試してみましょう。
給湯器をリセットする
エラー「920」が表示された場合は、まず給湯器のリセットを行ってみましょう。
一時的な誤作動や通信エラーが原因であれば、リセットによって表示が消えることがあります。
リセットの基本的な手順は、以下のとおりです。
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 給湯器本体の電源プラグを抜く、またはブレーカーを切る
- 60秒ほど待機する
- 電源プラグをコンセントに差し直す
- リモコンを再度「入」にする
- お湯を出して、エラーが消えたか確認
ただし、エラー「920」は中和器の寿命が近いことを知らせる警告表示であるため、リセット後に一度消えても再び表示されるケースが少なくありません。
表示が消えた場合でも、中和器の交換時期が近づいている可能性があるため、早めに点検や見積もりを依頼することをおすすめします。
リセットの注意点
リセット操作は何度も繰り返し行うものではありません。
2〜3回程度試しても改善しない場合は、一時的な不具合ではなく実際に中和器の交換時期が近づいている可能性が高いと考えられます。
また、リセットによってエラー表示だけを消しても、中和器の寿命そのものが回復するわけではありません。
警告表示を無視して使い続けると、将来的にエラー「930」へ進行し、お湯が出なくなる可能性もあります。
リセットしてもエラー「920」が再表示される場合は、無理に使い続けず、メーカーや専門業者へ相談するようにしましょう。
自分で中和器の交換はできる?
エラー「920」が表示されると、「中和器だけなら自分で交換できるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、給湯器の中和器交換は専門知識が必要な作業でのため、基本的にはメーカーや専門業者へ依頼することをおすすめします。
機種によっては技術的に交換できる場合もありますが、作業難易度や安全面を考えると、DIYでの交換は現実的ではありません。
中和器交換はDIY非推奨
給湯器の中和器は、機種ごとに設置位置や固定方法が異なります。そのため、一般的な住宅設備の部品交換のように簡単に交換できるものではありません。
また、中和器へアクセスするためにカバーの取り外しやホースの脱着、水抜き作業などが必要になることもあります。
さらに、機種によっては電気配線の近くで作業を行うため、十分な知識がない状態で触ると故障の原因になる可能性があります。
メーカーも利用者による交換を前提としていないケースが多く、自分で作業を行うメリットはあまりありません。
中和器を自分で交換するリスクとは
中和器交換を無理に行うと、給湯器本体を故障させてしまう恐れがあります。
例えば、作業中に配線や基板を傷つけると、中和器交換だけで済んだはずの修理が、高額な基板交換へ発展する可能性もあります。
また、給湯器はガス機器であるため、誤った作業によって安全性に影響を与えるリスクも否定できません。場合によってはメーカー保証や修理対応に影響することもあります。
結果として、DIYで交換して費用を抑えるつもりが、かえって修理費用が高額になるケースも少なくありません。
エラー「920」が出たら専門業者への相談がおすすめ
エラー「920」は、中和器の寿命が近いことを知らせる警告表示です。
そのため、表示された段階で修理交換を業者に依頼するのが、もっとも安全かつ確実な対処方法と言っても過言ではありません。
また、設置から10年前後経過している給湯器では、中和器だけでなく本体全体が寿命に近づいている可能性があります。
中和器交換と給湯器交換のどちらが適しているかを比較しながら判断することが重要です。
どうしても自分で交換したい場合は、機種ごとの構造を十分に理解し、給湯器に関する専門知識や作業経験が必要になります。
一般的には、安全性やコスト面を考慮して、メーカーや専門業者へ依頼することをおすすめします。
エラー「920」修理にかかる費用の目安
中和器の交換にかかる費用の目安は、ノーリツが17,000円~48,500円、リンナイが12,600円~34,500円、パーパスでは15,000~30,000万円が参考価格として提示されています。
実際の費用は、スタッフが現地で診断したのちに決定します。
機種や設置環境、作業内容などで費用は異なりますので、故障状況によっては参考価格より高額になることもある点には注意が必要です。
点検の結果、中和器以外の部品にも故障が見つかることがあります。
もし電装基板など主要部品の交換や、複数の部品修理が必要になった場合、修理費用は6万円を超えることも珍しくありません。
また、修理不可の診断が出た場合や、修理しない場合でも、出張費用や診断料は発生します。
修理ができないケースとは
給湯器は部品の保有期限が切れている場合、中和器を交換することができません。
給湯器の耐用年数は一般的に約10年とされており、メーカーの修理部品保有期間も10年です。
古い給湯器をお使いの場合、中和器の入手が困難で修理したくてもできないケースがほとんどとなります。
そのため、給湯器の使用年数が10年以上でエラー「920」が出た際には、本体交換を前向きに検討することをおすすめいたします。
エラー「920」交換にかかる費用の目安
給湯器交換にかかる費用は、機種や号数、設置状況によって異なりますが、家庭用給湯器であれば10万円〜30万円前後が目安となります。
おおまかな交換費用の目安としては、給湯専用ガス給湯器で約8~15万円、追い焚き付きガスふろ給湯器で約14~25万円、温水暖房熱源機で約23~36万円が一般的な金額です。
ご紹介した費用は、本体代のほか、リモコン代、標準工事費、既設給湯器の撤去・処分費、出張費、部材費などが含まれた総額を想定しています。
PS(パイプスペース)設置タイプは施工条件によって金額が変わりやすいため、事前に見積もりを取り、総額を確認しておくことが大切です。
また、エコジョーズの場合は、上記金額からさらに約2~6万円ほど金額がアップします。
実際の費用は、設置場所や配管の状態、追加工事の有無によって変動するため、専門業者による現地調査が必要となります。
使用年数が10年以上なら交換がおすすめ
給湯器の寿命は一般的に10〜15年程度とされており、エラー「920」が表示された時点で使用年数が10年以上経過している場合は、本体交換を検討することをおすすめします。
理由は、中和器交換後に別の箇所で不具合が発生し、追加の修理費用がかかるケースが少なくないからです。
古い給湯器をお使いの場合では、中和器だけを交換しても、すぐに別の部品が故障する可能性が高いです。給湯器内部には電装基板や各種センサー、燃焼装置など多くの部品が使用されており、長年の使用によって少しずつ劣化していきます。
また、メーカーの修理用部品保有期間はおおむね10年程度とされているため、古い機種では修理部品が入手できず、修理自体ができないことも多いです。
エラー「920」が表示された給湯器が10年以上経過している場合は、中和器交換だけで対応するのではなく、今後の故障リスクや修理費用も踏まえて、本体交換も選択肢に入れて検討するとよいでしょう。
まとめ|エラー「920」は中和器の寿命|原因や対処法、修理交換について
給湯器のエラーコード「920」は、中和器の寿命が近づいていることを知らせる警告表示です。
すぐにお湯が使えなくなるわけではありませんが、放置するとエラー「930」へ進行し、給湯器が停止する可能性があります。
まずは給湯器をリセット(再起動)して表示を確認し、改善しない場合は早めに修理を依頼しましょう。
また、設置から10年以上経過している場合は、中和器交換だけでなく給湯器本体の交換も含めて検討することをおすすめします。
給湯器のエラー「920」でお困りなら、給湯器交換のユプロにご相談ください。
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給湯器のエラー「920」が表示された際は、お気軽にお問い合わせください。
