
毎日の入浴や家事に必要なお湯を作る給湯器。
給湯器は快適な日常生活をおくるうえで欠かせない設備ですが、突然エラーコードが表示されてお湯が使えなくなることがあります。
なかでもエラーコード「111」は発生頻度が高いトラブルのひとつで、解決するには原因に合わせて適切に対処する必要があります。
この記事では、エラーコード「111」について、原因や具体的な対処法、修理や交換が必要なケースなどについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 給湯器エラーコード「111」の原因
- エラーコード「111」の対処方法
- 修理が必要な状況
- 交換が必要な状況
給湯器エラー「111」とは?
給湯器のエラーコード「111」は、「点火不良」を示すエラーコードです。
何らかの原因により給湯器が正常に点火できず、お湯が出ない状態を示しています。
エラーコードについて
給湯器のエラーコードは、3桁または2桁の英数字で表示されます。
追い焚き付きふろ給湯器ではエラーが「111」、給湯専用給湯器では「11」と表示されますが、どちらもエラー原因は点火不良です。
エラーコードは1995年(平成7年)以降、ノーリツ・リンナイ・パロマ・パーパス・大阪ガス・東京ガスなど国内メーカー間で統一されています。
もし1995年以前に製造された古い給湯器にエラー「111」出た場合は、別のトラブルが発生している可能性があるためご注意ください。
給湯器エラー「111」が発生する主な原因
エラー111の発生原因はさまざまです。
代表的な原因には、以下が挙げられます。
ガスの供給に問題がある
給湯器エラー111の原因としてもっとも多いのが、ガスの供給に問題があるということです。
ガスが供給されていないと、給湯器は正常に点火できません。
具体的には、ガスの元栓が閉まっている、ガス会社側で供給が一時的に停止している、ガスメーターがガスを遮断している、LPガスの残量不足など。
また、外部のガス配管に異常がある場合でも、エラー111が発生することがあります。
電源に問題がある
給湯器本体の稼働は電気で制御されています。
電気が供給されていない場合や、電源が不安定な状態では、正常に点火できずエラー111が発生する原因となることがあります。
給湯器の電源に問題が起きる原因としては、ブレーカーが落ちている、給湯器本体の電源プラグがコンセントから抜けている、電気系統のトラブル、断線、停電などが考えられます。
給湯器の内部部分が故障している
給湯器の内部部品が不具合を起こしたり故障したりすると、点火不良によりエラーコード111が表示される原因となることがあります。
エラー111の原因が内部部品の不具合だった場合、イグナイター(点火装置)やガス電磁弁、ガス比例弁やフレームロッド、点火プラグ、バーナーなどの部品に問題が起きている可能性が考えられます。
イグナイターは点火に必要な電圧を発生させる装置で、ガス電磁弁はガスの供給を制御する部品です。
ガス比例弁はガスの流量を調整、フレームロッドは炎を検知、バーナーはガスを燃焼させます。
これらの点火に関係する部品は、長期的な使用による経年劣化が原因で不調・故障の症状を起こすケースが多いです。
給気や排気に問題がある
給湯器は燃焼時に酸素を本体に取り込み、燃焼後はガスを機器の外に排出します。
この給気や排気が何らかの理由で妨げられると、正常な燃焼ができずエラー111が発生することがあります。
給排気トラブルによるエラー111は、排気口や給気口がゴミなどの異物で塞がれることによって発生することが多いです。
まれにですが、給湯器の設置場所が狭すぎる場合や、排気アダプターが適切に取り付けられていない場合など、給湯器の設置状態が適切でない状況において、空気の循環がうまくできないことが要因となるケースもあります。
天候や災害の影響
強風や大雨、寒波や地震など、天候や自然災害の影響によって給湯器が正常に作動しないことがあります。
例として、大雨や台風で給湯器内部に雨水が侵入して点火装置やバーナーが水に濡れた、気温低下で着火部に結露水が付着して湿気たり凍結したなどが該当します。
また、地震で一時的にガスの供給がストップした、落雷による停電や漏電の影響なども点火不良の原因となることがあります。
給湯器本体の経年劣化
使用年数が10年を超えている場合、各部品や配線の劣化などさまざまな要因により正常に点火できなくなる可能性があります。
給湯器は消耗品で、耐用年数は約10年。
経年劣化による機器の故障・不具合は避けられません。
そのため、10年以上使用した給湯器にエラー111が出たら、寿命のサインとみなしてよいでしょう。
給湯器エラー「111」が発生した際の対処法
ガスの供給を確認する
給湯器エラー111が発生したら、まずはガスの供給に問題がないか確認しましょう。
ガスコンロやガスファンヒーターなど、給湯器以外のガス機器が正常に動作しているか確認すると、ガス供給に問題があるかどうかが判断しやすくなります。
給湯器のみ使用できない場合は、給湯器の故障が疑われます。
すべてのガス機器が使用できない場合は、ガスの供給そのものに問題がある可能性が高いです。
ガス供給に問題がある場合、以下の対処方法を試してみましょう。
ガスの元栓を開く
ガスの元栓が開いているか確認し、閉まっている場合は開いてください。
給湯器のガスの元栓は、機器本体の下部または側面の配管部分にあります。
元栓は開いたままが正常な状態ですが、給湯器の設置工事後や賃貸住宅で長く空き家だった場合、旅行や出張など長期的に家を空ける前などに閉めることがあります。
また、悪意ある第三者によるイタズラ行為で元栓が閉められることもありますので、夜間などにガス元栓を確認する際は注意が必要です。
ガス料金の未払いが無いか確認
ガス料金が未払いだと、ガス会社がガスの供給をストップします。
料金を支払うことでガスの供給が再開されるため、払い忘れがないか確認してみましょう。
プロパンガス(LPガス)を充填する
プロパンガス(LPガス)の場合は、ガスの残量不足がエラー111の原因となるケースもあります。
ボンベが空になっていることは家庭内では判断ができませんが、ガス切れを起こしていることが疑われるようなら、プロパンガス屋に連絡してガスを充填してもらいましょう。
ガスメーターを確認する
ガスメーターのランプが点滅している場合、ガスメーターの安全装置が稼働して強制的にガスを遮断している状況となります。
メーター容量を超えるガスの流量オーバーが計測されたときや、ガスの止め忘れなどで長時間ガスが使用されたとき、震度5以上の地震発生時などでは、安全を確保するためガスメーターがガスの供給を一時的にストップすることがあります。
ガスメーターを確認し、ランプが点滅しているようなら復旧作業を行うことで、ガスの供給を復活させることができます。
詳しいガスメーターの復旧方法は、以下をご参照ください。
万が一、ガスのニオイがする、目がチカチカする、気分が悪くなるなどの症状がある場合は、ガス漏れが起きている可能性がございます。
ガス漏れが起きている場合は、引火や爆発、一酸化炭素中毒などに繋がる危険性があるため、復旧作業はおこなわずガス会社またはLPガス屋に連絡して対処してもらいましょう。
業者が到着するまでは、すべてのガス栓を閉め、換気扇は使用せず窓をあけて自然換気をおこない、ガス機器はもちろん火器の使用も中止してください。
給湯器本体をリセットする
給湯器の電源を一度切り、再び電源を入れてリセットを試みましょう。
リセットによってエラー111が解消される可能性があります。
給湯器本体のリセットは、機器の使用を停止した状態で電源プラグを抜き、10秒程度待機したあと、電源プラグの差し直しをおこなうのが基本の流れとなります。
詳しいリセット方法は給湯器のメーカーや機種によってことなる場合があるため、取扱説明書に記載されたリセット方法をご参照ください。
リモコンをリセットする
エラー111が一時的に表示されているだけであれば、リモコンのリセット操作で解除される可能性があります。
給湯器リモコンのリセットは、給湯器の運転を停止し、リモコンの運転ボタンを押して電源をオフにしてから、再度電源をオンにするというのが基本的な流れです。
本体リセットと同様で、リモコンのリセット方法もメーカーや機種により手順や操作内容が異なる場合があるため、詳しくは取扱説明書をご参照ください。
排気口と給気口に詰まりが無いか確認する
排気口や給気口に異物が詰まっていると、炎の燃焼に必要な空気が循環しなくなるため、正常に点火ができずエラー111の原因となります。
給湯器本体の排気口や給気口を確認し、ホコリや落ち葉などのゴミが詰まっていないか確認し、詰まっているようなら掃除して異物を取り除きましょう。
しばらく時間をおいていみる
給湯器エラー111は、エラーの発生原因によっては、しばらく時間が経てば復旧することがあります。
例として、地震等の影響でガス供給が一時的に停止している場合、や、豪雨や台風で点火装置が濡れたり湿気てしまった場合、給湯器が一時的に高温になった場合などでは、しばらく時間をおくことでエラーが解除される可能性があります。
数時間から半日程度を目安として、様子見も対処方法として有効です。
凍結を解消する
冬季には配管が凍結し、点火不良が発生することがあります。
凍結は深夜から明け方に発生することが多いです。
給湯器の凍結の対処方法は、日が昇って気温が上がり凍結部分の氷が自然に溶けるのを待つのがおすすめの方法となります。
急いでお湯を使いたい場合には、配管や接続部を自分で温めて氷を解かす方法もございます。
自分で凍結を解消する場合は、配管や接続部にタオルを巻き付け、ゆっくりとぬるま湯をかけてから、タオルをを回収し、残った水滴を乾いた布でふきとってください。
注意点として、熱湯を使用すると配管が割れて破損する恐れがあるため、必ずぬるま湯を使用するようにしましょう。
給湯器エラー「111」で修理が必要なケース
電源のリセットやガス栓の確認など、自分でできる対処方法を試しても給湯器エラー111が何度も表示される場合は、一時的なトラブルではなく給湯器本体に故障がある可能性が高いです。
点火装置や制御基板、センサーやバーナーなど機器内部に不具合が起きている場合、専門業者による修理や点検が必要となります。
給湯器の修理はご家庭内で対処することはできませんので、業者への依頼が必要です。
特に、ガスくさいニオイや焦げくさいニオイなど異臭がする、エラーが頻繁に表示される、給湯器の稼働音が異常に大きい、機器内部から爆発音が聞こえるなどの異常がある場合は、危険な状態です。
安全のために使用を中止して、専門業者に相談するようにしましょう。
給湯器エラー「111」の修理の依頼先
エラー111に限らず、給湯器を修理する際の依頼先はメーカーとなります。
給湯器の修理は、メーカーもしくはメーカー指定の代理店のみ対応が可能です。
家電量販店やホームセンター、ガス機器交換専門店、ハウスメーカーなど一般業者は修理対応ができませんので、修理を検討されている場合はメーカーに直接お申込みください。
以下では、代表的な給湯器メーカーの修理申し込みページをご紹介します。
以下のリンク先から、お電話または問い合わせフォームより申し込みができます。
10年以上使っている給湯器にエラー「111」が出たら交換が必要
給湯器の寿命は、一般的に10年程度と言われています。
10年以上使用している給湯器にエラー111が発生した場合、複数個所の部品が劣化している可能性が高いです。
給湯器は交換よりも修理の方が費用を抑えることができますが、複数の部品修理が必要な状況や、高額な主要部品が破損している状況では、修理費用がかなり高額になるケースも少なくありません。
また、給湯器の修理部品は10年で製造中止となるため、そもそも修理自体ができないこともあります。
費用面、安全面などを考慮すると、10年以上使用した給湯器にエラー111が出た場合は、交換されることを強くおすすめいたします。
給湯器交換でおすすめの依頼先
給湯器の交換はメーカー以外にも、ホームセンターや家電量販店、都市ガス会社やプロパンガス屋、ハウスメーカー、給湯器交換の専門店などさまざまな業者が対応可能です。
それぞれ一長一短ありますが、業者選びのコツは、複数の業者で相見積もりを取って比較することです。
相見積もりをとることで、料金、スタッフの知識レベル、保証やアフターサービスの内容などを総合的に比較できるため、ご自身に合った業者を選ぶことができるでしょう。
給湯器交換はユプロにおまかせ
弊社「給湯器交換のユプロ」は給湯器交換の専門業者で、ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパスほか人気給湯器を低価格でご提供しております。
ご依頼は365日年中無休で受け付けており、最短で即日中の出張工事にも対応可能。
施工担当は、給湯器ほかガス機器の設置に関する資格を保有するプロのみとなっております。
親切丁寧に対応させていただきますので、給湯器エラー111でお困りの際は、ぜひユプロにご相談ください。
給湯器エラー「111」についてのまとめ
給湯器のエラー111は、点火不良が原因で発生します。
原因を正確に把握し、適切な対処を行うことでエラーを解除できる可能性はあります。
しかし、繰り返しエラーが発生する場合や異臭・異音がある場合などでは、すぐに専門業者へ相談して修理や交換などの対応を受ける必要があることもございます。
特に長期間使用している給湯器の場合は、交換も視野に入れて早めに対処しましょう。
10年以上使用している給湯器にエラー111が出た場合は、ぜひ給湯器交換のユプロにご相談ください。
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